Mrプロコルハルムのゲーリー・ブルッカーの健在ぶりに
驚かされます。
渋さでいえば欧州一でしょう。
ゲイリーは一時、元ローリングストーンズのビル・ワイマンバンド
でリードボーカルをやっていましたが、プロコルハルムを再結成。
一昨年末には来日して、松任谷ユーミンと
ジョイントコンサートをしました。
バッハのバロックを参考にしたという「蒼い影」は、
オーケストラととても似合う名曲です。
映像も綺麗ですよ。
収録は、2006年デンマーク・コンサート15曲にプラスして1974年のテレビ番組(オリジナルメンバー)から6曲。
新旧を比べると、ゲイリーのキーが殆ど変わっていないのに驚かされますし、歌手としての誇りなのでしょう。旧録音に蒼い影は入っていませんでした。
彼らのファーストはいろいろな形で再発されていますが、11曲の
ボーナス、歌詞およびライナー訳、
紙ジャケ、リマスターなどを兼ね備えた2012年のVICP-75091が今のところ決定版ではないでしょうか。
"青い影"(ボートラ扱い)やセカンドヒット"Homburg"、それに"Repent Walpurgis"、また後にライブ・
バージョンがヒットする"Conquistador"などの代表曲、さらにボートラに75年に最後のヒットとなった
"Pandora's Box"の初期バージョンも収録されています。
ただ、少し小粒な曲が多いので、最初に聞くべきアルバムとしては2枚目か3枚目をおすすめします。
さて、この日本盤には元になった英Salvo盤の美麗なブックレットが封入されず、ライナー訳のみになった
のはまだやむを得ない感がありますが、肝心の訳文に欠落があります(9〜10曲目)。
これについて問い合わせると、正しいブックレットと交換してくれるのは無理なようで、その代わりに
欠落部分のテキストがメールにて提供されます。
発売後ずいぶんたつのに、レコード会社の公式サイトに購入者に対するきちんとした告知が掲載されていない
のは少し不親切に思えます。
これとは別に、発売当初には紙
ジャケットの印刷ミスも発生(こちらは告知あり)したりで、ファンからする
と少々残念。
クラシック音楽とロックの融合って言葉、今更聞いてもピンと来ない方も多いでしょうね。プロコル・ハルムはこのテーマに正面から挑み、本作品で完成させたのが73年です。
この時代、急速な進化を遂げた電子楽器なしで創り上げた荘厳かつ流麗な作品で、英国らしい気品あるサウンドにウィットに富んだ歌詞、今聴いても新鮮な感動を呼び起こしてくれます。翌年にリリースされた"Birds and Fruits"とも音の面で類似点が多く、この2枚が彼らの最高傑作でしょう。
さて、ピアノの響きとギター、キーボードのアンサンブルも素晴らしいのですが、特筆すべきは今は亡きB.J.
ウィルソンの驚異的なドラミングです。当時のプロコル・サウンドの美しさ、荘厳さをダイナミックかつ安定したドラミングでしっかり支えているわけですが、技の豊富さには驚いてしまいます。
シンコーのDIGが表紙と
タイトルだけの客寄せのような薄っぺらな内容に対し、さすがレココレ。しっかりした歴史データ、インタビュー、多角的な分析、批評で満足しました。他のレビューは、単に自分が楽しみにしていた予告と今号の内容が違ってがっかりしただけということなので、今号の内容に対する評価としては、的外れなので、参考になさないように。これがあれば、わざわざ高価な日本語訳解説付の限定盤BOXを買う必要は特にないと思われる。私は、輸入盤BOXとこれで、充分満足している。
日本語版が出ていないので、画質音質に期待をして購入しました。期待通りのレベルで文句なしです。そしてこの値段。国内版であれば3倍くらいの値段になっているでしょうね。おすすめです。他のライブ物もブルーレイで出ていないのでしょうか。出ていれば絶対買います。