本書の日本語はかなり読みにくい。ただし、確かに訳は酷いが原書のエッセンスはとても重要なものばかりなのですぐにあきらめるのはもったいない。金銭的に余裕のある人は買っても損はないだろう。ただし、自分で個人的に要点をノートなどに整理していく作業は必要である。
ところで、私は学生時代数学の問題集で答えが間違いだらけのものを買ってしまったことがある。はじめの頃は酷い買い物をしたと思ったが、段々使っていくうちにその問題集の間違いを探し出して、赤ペンで直すことにやりがいを見出し、結果として数学の成績が上がったという経験がある。このことが本書の件にも当てはまるかどうかは定かではないが、悪書も使い方で良書になることがあるということを私は学んだのである。
総ページ数269ページという限られた紙面で100年の歴史を均等に描いている為、
コンパクトに映画史の概略を知りたいという人には最適の本だと思います。
出てくる固有名詞はトーマス・
エジソン、
リュミエール兄弟、D.W.グリフィス、リリアン・ギッシュ、メ
アリー・ピックフォード、グロリア・スワンソン、ジョーン・フォンテイン、キャサリン・ヘップバーン、エリザベス・テイラー、マリリン・モンロー…等々、
ハリウッド映画好きなら知っていて当然というレベルの、それぞれの時代を代表する人たちばかりですが、これらの名前について知らなくて、どの時代にどういう映画が作られていた頃活躍した人達なのかなど知りたいという欲求がある人にはとてもよい本だと思いました。
映画関係の仕事を目指している人達だけではなく、趣味として映画が好きという人も、もっと深く映画を楽しめる手助けになると思います。