同じアジアのお隣の国である韓国出身の国連事務総長が誕生したことは記憶に残っていた。そこには微妙なライバル意識も少々あったと思う。たとえ恵まれない環境でも努力に努力を重ねて成功する。今日の日本では現実感を持って語れない、受け止めにくいそんな内容が、リ
アリティを増すのは隣国だからだと思う。あらためて努力やひたむきさの刺激をくれる一冊。しいていえば、全編を通して「非の打ちどころがない」完璧さが少々鼻にかかるが、そこはそういうものだと思って読めば気にならなかった。
国連事務総長という公的立場を顧みず、自国側に立った発言を平気で発するバン氏は
一体、どんなメンタリティを持っているのか知りたくて読んだ。
就任後に韓国人
スタッフを25%増やしたり、義理の息子を重要な役職に任命する身内贔屓ど、極端な中立性の欠如や、国連は公平でない機関だから日本の扱いが不公平でも構わない、日本からはお金だけで結構という趣旨の発言など、一体、なぜこのような人物が選ばれてしまったのか、強い懸念を感じた。
「国連は平和を愛する公平な機関」という日本人の誤解が明らかになる本だと思った。