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北朝鮮の食糧難がよく報道される。その北朝鮮の自給率はいくつだろうか。71%である。それに対して日本は40%だ。このような現状の中、日本人のほとんどが食糧問題に危機感を覚えない。それは、世界中から食料を輸入し、様々な食べ物が身近に溢れているからだ。
しかし、食糧の世界備蓄量が100を切り、常態化してきている異常気象、加えて、農業従事者の高齢化などを考えると、日本人の食の豊かさは、ひどく危うい基盤に立っている。
このような状況に対して日本の農政は十分に対応しきれていない。それは2000年にスタートしたJAS法による有機農産物認証制度を考えてみるとよくわかる。この有機JAS法というのは、有機農産物の定義を厳格に決め、この規格を満たした物だけが有機農産物として表示・流通できるというもので、違反者には厳しい罰則もある。もちろん、これは消費者にとっては、安心できる制度だ。
しかし、実際は有機農産物の流通表示に関する規制以上のものではない。結果、国内の有機農産物は伸びず、輸入有機農産物を伸ばしただけ(国産:輸入=13.5%:86.5%)となった。つまり、この法律は、有機農作物の表示管理政策として機能しているだけで、国内の有機農業振興政策にはなっていないということだ。このため、有機農業の本来の理念である食料自給率の向上、慣行農法から有機農法への転換、世界経済のルールを各国の食文化を尊重するものへと組み替、地産地消を実践、農業に従事できるような条件整備・・・などの支援にはなっていない。
この本は、この現実を憂え、「農を変えたい!三月全国集会」の内容を紹介したものである。読んでもらえばわかることだが、この本は単に現状を批判したものではなく、その現実に対しての様々な実践例が紹介されており、また「有機農業推進法」制定に関する動向も書かれている。そのため自分たちの地域での実践にも参考になることが多く、読んでいて元気が出てくる。
しかも、本書の中で人間の存在に対する意義に触れ、農を「環境創造型農業」という視点で捉えていることは極めて重要な指摘と言える。なぜなら、農を通して他の生き物とは違った人間独自の存在意義を自覚することができるからだ。
私達は、潜在意識や無意識の中に自分の存在を否定する罪悪感を持っている。それは「人間は地球にとってのガン細胞ではないか」というものだ。このことは人間の文明が招いた現在の地球の危機的状況を考えてみればわかるだろう。自覚の有無に関わらず、潜在意識にあるこの自己否定感や罪悪感が、私達の虚無感を生み出している。他の生物と異なり人間は自然の法則から逸脱した存在で、その存在自体が悪だということだ。
しかし、農を通して人間を観てみると、このことがまったく逆転する。なぜなら、原始的な生の自然よりも人間が適切に関わった自然の方が生物の多様性が豊かになっている事実があるからだ。実際、人間の手の入らない白神山地よりも人間に手入れをされてきた里山の方が生態系は多彩なのである。また、熱帯雨林にしても居住の移動を繰り返す中、人間が自分たちに必要な草や樹木を植えることで多様な生態系が形成された。
人間は、自然の法則から逸脱しているから自然破壊もできるが、また、それがゆえにこそ他の生き物とは全く違った形で自然をより豊かに創造できるのだ。ここに人間の存在する意義と意味がある。
このことを自覚し共通認識とするためには、「いのち」を支える農を生活の中に取り入れることが極めて有効なことだと言える。21世紀が、本書で紹介されている実践が多様な展開と広がりをみせ、意識の変革の世紀になることを切に願っている。
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