昔から聴いている熱心なファンというわけではありませんが、このベスト盤はすばらしいです。
大きく分けてムーディーな大人っぽいものと、楽しい子どもっぽいものの二種類の曲調があるように感じました。
大人になっても子どもの純粋さを持ち続けていられるのはとっても素敵なことです。
淑女のエレガントさがある作品
凛とした清らかさ、柔らかくて美しい穏やかな曲調です。内面に力強い情念を秘めている感じがします。
「彼と彼女のソネット」「黒のクレール」「Amour levant -若き日の望楼-」「WE ARE ONE CIRCLE」等
少女の無邪気さがある作品
明るくて楽しい曲調、児童文学的でファンタジックなテーマを、いつまでも若々しい子どもの目線で描かれています。
「ピーターラビットとわたし」「テディ・ベア」「メトロポリタン
美術館」「地下鉄のザジ」「Alice」「ぼくの叔父さん」等
またこれらの二種類が融合した感じのものもあります。どれもたいへん気に入りました。
歌詞の世界観が元々普遍的でノスタルジックな感じのものが多いためか、逆に新鮮で古さをあまり感じさせません。
音楽的にはポップさを損ねる程の過激さではないものの、独特の実験的要素が含まれているのを感じました。
待ちに待ったDVDが発売された。
アコースティックコンサートのDVDは以前から
とても見てみたかった物。
2つ程の例外を除いてライブ映像を決して発売しない
彼女の姿はコンサートでなければ見れなかった。
先行して放映されたBSで先に見たのが災いしたのか、
まさかモノクロで発売されるとは思っていなかったので
正直がっかりもした。
しかしその意図は良くわかる。わかるんだけど、う〜ん、、。
演奏内容については
大阪でのライブよりはちょっと落ちるものの、
とても言葉に出来ないくらい感動的な内容だった。
選曲に関してもとても時間をかけたんだなと感じさせるプログラム。
これには文句は無いのだが、、、、
それにしても彼女のスタンダード曲(といわれるもの)は
何回も繰り返して歌っていくうちに
発酵して程良くブレンドされ、進化していっているように感じられる。
それぞれの時代での楽しみ方が出来るのが良いところだしと、
割り切っている。 そういう意味でよくわかる。
彼女自身もインタビューでそのことを匂わしている。
(しかしBSでの放送をDVD化してくれないかなあ)
おまけのDVDでのアカペラのつぶやきまで出しているんだから。
もったいないと思った。
それにしても長く続いたアコースティックコンサートは
もうこれでおしまいなのか。
まるで時代が一つ終わった感がある。
コンサートにかけるいろんな思いが今回の編集になったわけだから
余り余計なことは言わないほうが良いかなとも思う。
とにかくDVDと言う媒体で彼女の歌が聴けるだけでもありがたい。
ファンとしても、こちらもそろそろ区切りをつける時期なのかな
などと思ったりさせられた。彼女の新たな出発を祝ってこのDVDを
鑑賞した。
「カイエ」のLPは聴いていたが当時ビデオがあったことすら知らず、どうしてインストゥルメ
ンタルの曲が多いのか?と不思議に思っていた。今回やっとその映像に触れることが出来て、
あのLPはサウンドトラックであり映像作品の一部に過ぎなかったのだ、と20数年ぶりに納得が
行った。
パリの空気感が伝わる関谷監督のカメラワークと、妙子氏の音楽のコラボレーションは本当に
素晴らしい。ボーカルは効果的に使われるが、「黒のクレール」「輪舞」などでは美しいピア
ノと管弦楽をフィーチャーしたインスト曲がBGMとして映像に叙情感を与えている。
「夏に恋する女たち」のフィルムでは、古びたアパルトマンの上にかかる月や黄昏時に明かり
をともす街灯といった味わい深い「光」をモチーフに取り入れている。
インストゥルメンタルで一番気に入ったのは「ラ・ストラーダ」。大らかな旋律に乗って伝統
美の中に活気あふれる
パリの都市風景が映し出されていく。運河にかかる可動橋、公園のベン
チなどの点景が心を和ませる。
セーヌ川だろうか、大きな川の畔にたたずむ妙子氏の後姿で曲
は終わる。
「幻惑」ではブルーのモノトーンが印象的だ。疾走する車の車窓に映る夜明け前の空をひたす
ら撮り続けているのだが、曲と映像のマッチングという点ではこのトラックがベストかもしれ
ない。
写真もそうだが、観る者の想像力を刺激するモノクロ(的)作品はカラー作品より印象的だと
再認識させられた。
83年に私の母校の学園祭で歌ってくれた妙子氏はまだ初々しいイメージだったが、当時すでに
「ヨーロッパ3部作」を世に出していた。さらに翌年このようなスケールの大きな作品を手がけ
ていたとは、その稀有な才能にあらためて驚くほかはない。
なお「カイエ」サントラ盤以外のアルバムから収められているのは「幻惑」(SIGNIFIE)「夏
色の服」(Cliche)の2曲である。
心の垢を落としたい時や元気を取り戻したい時など、就寝前のDVDプレーヤーにセットするのに
最適な1枚だと思う。
向かうところ敵なし(笑)と言ったライブDVDです。改めて見てみるとこんなにたくさんMCしていたんだ!と発見がありました。突然の贈り物は、収録されていませんが四季がはいってるので買いました。