ルパンアニメ化40周年記念の一環としてはじまったTVシリーズ。
この40年間に、原作の空気そのままの1st、コミカルで受け入れやすくした2nd、
絵柄を原作に少し戻した3rd、映画3本、そして毎年恒例のTVスペシャルシリーズ……と、
ルパンはさんざん造成され続け、そのためか近年のTVスペシャルは
どこかマンネリ気味のうえにテイストも子供向けに偏っていました。
その土台の上にこの新シリーズ、ガラリと変えて「深夜枠」。
随所に思い切った変更が見られます。
大きく視点を変え、サイドキャラだった女性の不二子をメインに。
このあたりには「今らしさ」を感じました。
そして原作のハードボイルド調を全面に出して、ルパン本来の世界観を演出。
銭形はかなりダンディになり、一部のキャライメージを大きく変えています。
デジタルCGでアニメが美しく作られる昨今、
あえてアナログ感を強調したダークな手描き
タッチは新鮮(たまにうるさく感じる事も 笑)。
40年という節目のタイミングで、
やり尽くした感が否めなかったルパンの「原点回帰 + α 」の新シリーズは
評価できる企画だと思っています。
幻想的な表現も多く、確かに好みの別れるところではあると思いますが、
すっかりマイルドになってしまったルパンを変えようとしているこの挑戦を、
私は楽しんでいます。
……それにしても、栗田貫一さん、いや、ホントにうまくなった。
もう、ものマネなんかでなく、立派にルパンはご自身の役ですよ。
《最終回を見終わって追記》
「不二子という女」前・後編 で収束される物語のまとめ方には物足りなさがありました。
ですが、今後のシリーズに対する布石となったのは確かでしょう。
これからのルパンに期待します!