1965年から1969年までと第1期の活動期間が短いラビン・スプーンフルは同時期に6枚のオリジナル・アルバムを発表した、
本ボックスは1967年第5作"You're Big Boy Now"を除いた5作品のセット、
ファンには既知事項だが、裸の男女が走っている
ジャケットのアルバムは契約の関係でラビン・スプーンフル名義で発表したもの、
5枚目のアルバム発表後に音楽上のリーダーだったジョン・セバスチャンは脱退、バンドとしては解散状態になったがドラマーのソロ・アルバムとして製作されたものがラビン・スプーンフル名義で発表されたのが事実らしい、
ファンとすれば6枚目を除いた1〜5作でボックスしてほしいところ、
なにか大人の事情でこの五枚になったような気もするが、廉価で
ボーナストラック付きなのでマジック・サマー時代の音に興味のある音楽ファンにはお勧めです。
このバンド、全員がモンキーズのオーディションに落ちたというトホホなキャリアがあるのだが、
ザ・ビートルズに対抗するためにアメリカの軽音楽業界が総力を挙げて取り組んだようなモンキーズのコンセプトには
しょうしょうタレント性に欠けた男たちだったことは間違いない、
ところがジョン・セバスチャンの創作力はモンキーズに選ばれた4人とは桁が違ったからこその記録がここにあります。
別のベスト・アルバムの商品ガイドを真似れば「ロックの歴史から黙殺されているが、魔法を信じるかい? デイドリーム、そしてサマー・イン・ザ・シティのように重要なヒットをだしたバンドは他にない!」となる、
それもモンキーズは作詞作曲は別チームが担当したが、ラビン・スプーンフルは自作自演でもある。
"Do You Believe In Magic"などで知られるN.Y.の四人組。「フォーク・ロック」という形容が定着しすぎているけれど、誤解してはダメですよー。ブルースもジャグもカントリーもフォークもR&Bも…すべてをビートル風にロックンロールのビートに乗せて放つ、アメリカンミュージック万歳な内容。ジャジーな〈7〉、ブルージイな〈2〉〈12〉など多彩な引き出し! そして何より若さね! 新たにプラスされた〈13〉は大発見でした…ベスト盤で満足してちゃいけないヨ!