趙紫陽 極秘回想録 天安門事件「大弾圧」の舞台裏!
趙紫陽と胡耀邦、彼ら二人は共に“21世紀の超大国”の指導者としてシンボライズされた人物だった。建国以来、毛沢東・劉少奇・周恩来・トウショウヘイ・華国邦と続いてきた長老達とは異なり実務畑出身の新たな指導者だった。
78年の『4つの近代化』を現実の形とすべくトウショウヘイ(“トウ”が文字化けするのでカタカナ表記とする)が次期指導者として指名したのもこの二人だった。
けれども中南海の守旧派は彼らの改革開放政策、例えば香港に見られる一国二制度のシステムを共産主義の建前から全面的に否定した。
そして中国国内で経済的に一応の安定が取り戻され、次に国民の目が向かったのは東欧諸国から始まる“ヴェルヴェット革命”の流れを受けた『政治的自由の獲得』へと向かう。
1989年6月4日、天安門広場でハンストを続ける市民や学生達の前に現れ彼らに銃口を向けたのは他ならぬ人民解放軍の姿だった。不測の事態を予測し彼らの身の安全を何よりも優先に考えて趙紫陽が行ったのはメガホンを手に涙ながらに“解散”を群衆へと訴えることだった。そして彼が危惧したとうり、その夜半に二人のバックボーンとなるべきはずのトウショウヘイの指示による“鎮圧”が行われ、多くの血が流されたことは記憶の上でも新しい。
事件が起こる以前、趙紫陽はもう一つの大国ソ連の新しい指導者M・ゴルバチョフと会談し“人間の顔をした社会主義”の構築とその希望を知る。以来、趙紫陽は国内で精力的に“改革”を推し進めていく。しかしそれは同時に彼ら“新人類”にとって政治生命の危機にも繋がりかねない諸刃の剣だった。
事件の後、“中国の星”は政治局員の肩書きを除いた全ての政治的指導力を剥奪され、歴史の表舞台から姿を消す。けれども彼らの希望の灯は消えることなく次の世代へと引き継がれていく。
この本はそうした“中南海の皇帝達”と“中国の星”を巡る“中国現代史”である。国際社会の中での中国の青写真を作ろうとした世代と原則に固執した長老達、その結果がもたらしたものは“歴史の涙”だった。
天安門事件から「08憲章」へ 〔中国民主化のための闘いと希望〕
1に載せられた四篇の詩に震えるような思いがしました。
「08憲章」として結晶する中国民主化の流れの底力を感じます。
収められた劉暁波の文章は政治・社会評論で、一貫した倫理性に貫かれ、中国各地で行われている民主化運動の粘り強い闘いをうかがうことができます。
収録された「08憲章」への第一次署名者303名の職業を見ても、農民・労働者・芸術家・企業家・知識人など幅広い階層に及び、この憲章のもつ説得力がうかがわれます。
この書から学べるものは、日本社会においても多いのではないかと思いました。
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1989年に起こった天安門事件は世界の注目を浴びたが、その経過、原因などの詳細については限られた情報しか外部には知られていなかった。天安門広場の民主化運動に直接参加した学生運動の指導的学生、労働者、教師、知識人などのインタビューと当時撮影されたビデオを基に、3時間を超える記録として纏められたもの。インタビューを受けた当事者は国外に逃亡したものを除き、ほとんどは事件後逮捕され投獄されている。勿論政府側にインタビューはなく、一方の記録に偏ってはいるが、政府内部の改革派と保守派の権力争いが、矛盾する人民日報や政府発表などを基に推測されている。当初は学生だけの抗議に始まり、労働者や市民も巻き込んだ大規模集会に発展したが、やがて学生内の分裂で弱体化し、最後は人民解放軍によって鎮圧されて行く経過が時間を追って描かれている。特に鎮圧に際して人民解放軍が本来守るべき人民に対して実弾射撃を行い、それによって学生、市民が殺され傷ついていくさまが生々しく、迫力を持って迫ってくる。中国における共産主義の実態とは何かを雄弁に語りかける内容となっている。
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私財を投げうってまで中国人留学生達を援助し続けた船橋に実在する八百屋さんの実話をベースにした映画。
昔、テレビのニュース特番かドキュメンタリーでこの八百屋のおじさんことを知ってずっと気になっていて・・・。
奇しくも映画撮影と公開の時期が天安門事件と重なった為、予定されていた中国での撮影は中止、公開も当時日本ではあまり日の目を見る事がなかったようです。
ただ、さすがの大林監督。事件から目をそらさずに正面から向き合った構成によって逆に心を打たれる映像に仕上がっています。
最後の映画に出演した留学生達が集まって歌うシーンなども胸が痛みます。
映画自体は監督自身が現実の船橋の八百屋さんの空気感出すのに自然に撮った為、雑音が多くセリフの一つ一つがちょっと聞き取りにくいようですがドキュメンタリーぽくってリアリティがあります。
あまり留学生に入れ込んでしまった為に商売の方もうまくいかなくなり、家族に苦労をかけるシーンや奥様の苦労、家庭内でもめるシーンなどは涙無しにはみられません。
これらのシーンはかなりリアルに撮られていて撮影を見に来ていた実際の夫婦が当時を思い出して泣ていたというエピソードを監督自身が語っていました。
一時期はおやじさんの人がいいのにつけこんで奪うばかりにみえる中国人留学生が憎たらしく思えるほどにすざましいもの。
人助けとは生半可な気持ちではとてもできないと思い知らせれました。
ただ映画ではちょっことしか書かれていませんが現実の八百屋さん五十嵐勝さんのその後を知ることで(興味がある人はぜひ自分で調べてほしいです)長い目で人生を見つめた時、欲を持たず徳を積めばかならず自分に帰ってくるのだと希望というおまけがついてきます。
後、映画での八百屋の店先のシーンを見ると中国人留学生が値切ってばっかりでかなりひどいなと感じますが(実際そうだったのでしょうが)売れ残りを全部買い取ってくれたり、絶対に返品をしなかったという今で言うエコにつながるかなりいい話も五十嵐さん自身がしていてできればその辺りも描いてほしいかったかなと思います。