秦運動具工業 一本歯下駄 XLサイズ TCG104XL
壊れたとありますが、アマゾンさんなら初期不良で交換して貰えます。
まず慣らし歩行をして歯や下駄紐を馴染ませた方が良いと思われます。
基本的に、切れるのはまだ歩行方が正しくなく負担が集中する事によるものと思われます。
歯が折れるのは初期不良の可能性もありますので、交換して貰いましょう。
蟹と彼と私
蟹とは癌のこと。同棲中の男性が食道癌になり、その死を看取る話です。
第1部では、治療法を懸命に探し、様々な治療法を求めるのですが、肉体的・精神的に
疲れ果て、ときには彼につらく当たってしまうこともある。1年と少しで彼はとうとう
亡くなります。淡々と抑えめに書いたドキュメンタリーのような文体だったら、苦しくなって
とうてい読めないでしょうが、軽妙に冗談めいて書かれています。本来のユーモアとは
こういうものだと思います。
第3部は彼の菩提寺にお参りし、周辺のお地蔵様に詣でたり、石の採掘跡などをまわる
うちに彼の生き方と、自分の生き方に納得していきます。「一応は職があり男があり、
男は変われど孕まない。産めよ増やせよ、の圏外で農耕民族の落ち着きが身につかない。
人生は暫定的処置の連続、と心得ている。」という風に自己を定位させます。彼の死は
「石の蟹が、石の彼にへばりつくが、相手も石、もはや手出しは出来ない。」というふうに
心の中に受容していきます。
第2部は二つをつなぐ幻想的な中間部。
久しぶりに生と死について真剣に考えさせられました。
なおこの作品は多分に作者の自伝的な小説だと思われます。彼は雑誌の編集者だと言われています。
第3部の舞台は、JR両毛線の岩舟駅・佐野駅あたりがモデルになっています。