子供の名前が危ない (ベスト新書)
dqnネームだのキラキラネームだのの批判をよく耳にする。
親の知性を疑うと大概それらは断ずる。
そうして,「そうだそうだ。子どもがかわいそうだ」の大合唱が起きる。
でも,そうやって訳分からないものに現代の名づけを放り込んでしまうよりも,この本を読んで名前をつけるとはどういう営みなのかを考えるほうが,ずっと建設的である。
著者は言う 戦争が負けそうになったら,勇とか勝利とかの名前が増えた。時代の欠乏を名前の流行は示すと。
そっかーーー。自分が完全に満たされているものを子どもの名前の含意にはしない。
個性的過ぎる名前の出てくる背景を丁寧に解き明かす本書は,これから名前をつけようという人にその無謀を引き止めさせる力があるかもしれない。
名づけのプロってなんじゃらほいと思っていましたが,いやはやあなどれない深い本でした。
まっこと,面白かったです。