エリオット・スミス
エリオット・スミスの名作群の中でも、個人的にベスト、一枚を選ぶならこれ。ギターとヴォーカルオンリー(ハーモニカとかたまに入るが)で、後期と比べて、音がシンプルな分、メロディ命で素晴らしい。ギタープレイや声の情念なら前作1stだが、それより洗練されて、歌とギターのバランスの良さが増している。分からない人には全曲地味、分かる人には全曲名曲という極端な作品。冒頭のNeedle in the heyは最初度肝を抜かれた。アコギでここまでヘヴィでキャッチーなリフは聴いたことがないし、歌も特異。ニルヴァーナやレディオヘッドが好きなら衝撃を受けるだろうし、そのどちらにもないほど個性的。アコギで疾走する2、4曲目。ひたすら暗くせつなくも力強い3、5、7、8、10曲目。ほのかな温かみがほっとさせるビートルズばりの6、11、12曲目。個人的には5本の指に入る9曲目のガラスが砕け散るような壮絶なギターと煌き消えていくようなコーラス。その全てが素晴らしい。
Either / Or
映画「paranoid park」のサントラにはいってるangelesを聞いて好きになりました。
他のレビューでもある通り、彼のメロディや声から伝わってくる繊細な音の響きが胸をうちます。
もっと過去の曲も聞いて見たくなりました。
またCDのジャケットがどれもカッコイイですね。
彼の持つ、アーティスト性もそこからも感じることができますよね。
眺めのいい部屋 完全版 スペシャル・エディション [DVD]
この映画を見たのは随分前のことになるのに、忘れられない映画です。上品な服を着ているひとは、出会ったあと、そのディテールよりも全体の雰囲気しか残らない、というたとえがありますが、まさにこの映画はそういう印象を私の心に残しています。映像と音楽の調和が素晴らしい。当時の上流社会で育った女性が、眺めのいい部屋、つまり視野を広げて自分の人生を見つめることによって変わっていくさまがすてきです。
くまのプーさん ルーの楽しい春の日 [DVD]
感動の名作です。ピョン・ピョン跳ねるお騒がせチームのルーとティガー、四角四面のラビットとの衝突で心痛む展開ですが、最後はもちろんハッピーエンド☆ラビットも跳ねていますよ♪
ティガームービーではルーがティガーを助けますが、この作品ではティガーがルーの為にがんばります☆”跳ねるチーム”ファンとしては欠かせない一本でしょう!
Xo
溜息の出るような美しいメロディーに乗せてぼそぼそと歌う。このアルバムでは、バックバンドを従えて割合グルーヴィーな楽曲が配されていて、中期以降のビートルズを彷彿とさせる部分もあるが、真骨頂は生ギター1本のシンプルで切々とした味わい。
例えば1曲目の「Sweet Adeline」、ニック・ドレイクのような正に「漆黒の闇」をイメージさせる。とことん暗い。何というか、センスのある暗さとでも言うのか。鬱々とした心情を詩的に表現すればこうなるのだ、というお手本みたいな曲。それは5曲目の「Pitseleh」、6曲目の「Independence Day」あたりにも言えること。
ビートルズフレイバーは4曲目の「Baby Britain」で満喫できる。悲しくなるくらい爽やかな名曲だ。XTCも顔を出す。そして、14曲目の「I Didn't Understand」は「Because」っぽい。あるいは、ビーチ・ボーイズ。見事なハーモニーを聴かせる。
この「XO」は彼の代表作である。深い、何度も聴くに値する、真に優れた表現、と言いたい。その5年後に、自らの胸にナイフをつき立ててあの世に行ってしまうとは、誰が予想したであろうか。ドラッグとアルコールがまた一人の天才を奪い去ってしまった。痛々しいことだ。ちなみに、くるりの処女作「さよならストレンジャー」の「Thanks To」にエリオット・スミスの名がクレジットされている。