cc: カーボンコピー (中公文庫)
生損保業界の不払い問題をベースとした広告営業者をめぐる小説。
PC活用の時代に簡単にメールでCC:することで大量に意思伝達をすることができる反面、本当の意思疎通の大切さを改めて考えさせられる。
日本国債(上) (講談社文庫)
著者が実際にディーラーや外国債券セールスを経験し
金融市場に関わっていた事もあってか、変に説明くさくなく、
日本国債という、知名度こそあれ地味なテーマではあるが
自然に物語に惹き込まされる。
なかなか主人公が定まらなかった上巻の序盤を超えると、
ストーリーは外資系金融機関の債券ディーリング部署の
女性アシスタントを軸に動き出していく。
大風呂敷を広げた割に終幕をコンパクトに収めすぎた感が
あるのは残念だが、日本国債の入札未達という前代未聞の
出来事に対する、国債に関わる男たちの思いが伝わる作品。
ランウェイ
600ページのボリュームを感じさせない、とにかく勢いのある小説です。ページをめくる手が止まりませんでした。主人公が、有名ファションブランドのバイヤー→セレクトショップのバイヤー→自分のファッションブランドのプロデューサー、と成長を遂げていくのですが、それぞれの内情が深く詳しく書かれていて、業界研究にも役立ちそうです。ファッションが好きなひとは必読です!