Melodies-The Best of AOR-
迷っている人がいたら、「ぜひどうぞ・・・」とオススメしたいアルバム。家でしっかり聴くも良し、車でかけっぱなしも良し、どんな聴き方でも出来る。曲数が多いことも、ドライブ時などに有り難い。最後の最後に「We're All Alone」を持ってくるところなど、小憎らしいまでの選曲である。鈴木英人のカヴァーイラストも涙モノ。やっぱりこれじゃなきゃ・・・と思わせる。30代以上のターゲット層はもちろん、10代後半あたりの人達にも、ぜひ聴いて欲しい。若い人でも、しっかりしたリスニング感覚を持った人なら、これの良さがきっとわかる。
Nightfly
Donald FagenがファーストソロアルバムThe Nightflyで見せたのは大人の遊びであった。巷ではSteely DanとFagenのアルバムは何処が違うのだろう、といわれる。勿論、同じアーティストであるからしてかなり似た音作りをしていると思う。しかし、明らかにSteelyよりファンキーでリズミカルなアルバムだ。
Steely Danがベッカーとフェイゲンの共同理想による、スタジオワークの面において高度な完成を求めたPOPSであるとすれば、The Nightflyというソロアルバムは、高度な完成度を作り得る面々ではあるが、完成度よりも自分自身が楽しむことをメインにおいた作品だと思う。だから、GauchoやAjaで感じたような緊張感はこのアルバムからは感じられない。スティーリーと聴き比べると軽い感じすらしてしまう。
音楽性や云々よりも、自分の好きなJazzやSoulを自分流の解釈で音楽にする。自分がSteelyという「仕事」で蓄えた能力と技術と人脈を使って遊んでいる、そんなアルバムだ。そしてその軽みをもった「遊び」が多くの人々に受け入れられてしまうのも彼のそれまでの蓄積であろう。
ラヴ・ライツ(3)
LOVIN’YOU が入っているので買った、というのが正解かもしれません。
もちろん他の曲も、知ってる知ってる、好きよコレ、というのがたくさんありました。
でも、私はやっぱり ミニー・リバートンのLOVIN’YOUがすべてですね。
Morph the Cat
2006年3月リリース。ニューヨークのアバター・スタジオほか、多数のスタジオを駆使してレコーディングしている。『ナイトフライ』(1982)、『KAMAKIRIAD』(1993)に続く、24年ごし、前作から13年ぶりの3部作とのこと。
スティーリー・ダンのDVD、『Aja』や『シークレット・ライブ・イン・NY』をご覧の方は納得されると思うがドナルド・フェイゲンは(ウォルター・ベッカーもだが・・・)音づくりに対するこだわりが常人離れしている。ワン・トラック、ワン・フレーズ、ワン・コーラスを詳細に分析してトラックを加算・削除していく。そこに生き甲斐を見いだしているとしか思えないミュージシャンである。こいつのここのリフがいいとか、こいつのこのスネアはいただけないので全部消去、とかが果てしなく続く。だから13年もかかるのは当然なのだろう。
今回のこだわりはおそらく一番だろう。僕の手に入れたアルバムは何とCDとDVDの2枚組だがDVDの方は5.1chサラウンドで録音している。もうCDの音質に我慢ならんと言う意思表示に他ならない。DVD+BOSE5.1chで聴く2『H Gang』は絶品である。是非ともファンは2枚組を手にとって欲しい。
ナイトフライ (SACD/CDハイブリッド盤)
やっと本作のSACD版、しかもハイブリッド(MP3に録れます)が発売されました。期待通りの出来です。
良くできたSACDに共通して言えるのが、どんなに音量を上げても心地良いと言うことです。
本作もスピーカーの限界まで音量を上げてもとても心地良い。
二曲目のgreen flower streetでは、いつもより多めにJEFFのドラムが楽しめます。
SACDの環境が無い方でも十二分に違いが堪能できると思います。
長年のリマスターSACDの夢が叶い、嬉しいけどチョットさみしいこの頃です。