NO.6♯1 (講談社文庫)
最初のページをめくった瞬間、この物語の中に一気にのめり込んでしまいました。
普通の小説の始まりって、主人公が楽しそうに笑ってるシーンだったりしますよね。
でも、この物語は、肩を撃たれて血を流している怪しげな雰囲気からの始まりです。
そこら辺で、すでにドキドキしていました。
そして、2歳の時に優秀な子供と認められ、NO.6でもっとも最高の都市『クロノス』に暮らす、
ちょっと天然な主人公・紫苑。
この少年は、今年12歳の誕生日を迎えようとしていました。
紫苑には父親がいなく、母親と2人暮らしです。
でも、NO.6の最高都市に住んでいるので、不自由な事は何一つありません。
…ただ、最近、その親子は、何事にも“つまらない”と感じていました。
何もかも自分の身近にありすぎて、求める事が無いのです。
この『NO.6』の舞台は西暦2013年の近未来。
何もかも今と違っていて、驚かされます。
例えば、紫苑たち親子の会話では、たかがスプーンが落ちただけなのに、「スプーン、殺菌する?」です。
普通に「洗う?」と聞けばいいのに…と、ちょっと笑えてしまいました。
…そんな親子の人生が、1人の少年を助けたばっかりにリセットされてしまいます。
今までとはうって変わって、奈落の底に突き落とされた様な人生の始まりです。
そんな親子の不幸をまねいた原因でもある少年ネズミは、
友人が原因不明の事件で死亡してしまったばっかりに、市から犯人扱いされ、
牢獄に送られようとしていた紫苑を助けます。
そこから、きっと紫苑の口からは、“つまんない”という言葉は聞かなくなるでしょう。
いつの間にか時間を忘れさせてくれる、この物語。
作者あさのあつこ先生の文才には驚かされます。
難しい内容なのに、そんな文章は一文字も使わない。
そして、その読みやすさには、誰でも物語の中に入っていけるのではないでしょうか。
燦〈1〉風の刃 (文春文庫)
読みやすかったです。
続きが気になって一気読みしました。
ジャケットも爽やかな印象です。
時代ものといっても堅苦しくないし、とても読みやすい。
キャラクタの歳が一〇代だからでしょうか。そこはあさの女史の腕ですね。
忍者の設定ではなく(忍者好きですが)もっと自由に身動きのできる人業。
惹かれる設定でした。
燦ですが、アシタカと答えたくなるような反射が出てしまいました(笑)
伊月のご主人さま、夢に向かってまっしぐらのはずでしたが、
時代の流れはいつも意に反するものなんでしょうか。
なかなかに愛嬌のあるキャラでした。
ほかのメディアの波に呑まれて欲しくない作品です。
どうかこのまま活字だけで……(切実)
NO.6〔ナンバーシックス〕(3)特装版 (プレミアムKC)
表紙がとても綺麗だったので、すぐポチりました(笑)
1、2巻同様に話の展開は早い気がしますが、テンポ良くて読みやすいです
1巻から比べて絵がかなり上手くなってて見やすくなりました
背景も細かく描いてるし素晴らしい
木乃ひのきさんの絵柄大好きです
原作と違う部分も多々ありますが、それはそれでおもしろいです
でも3巻はあんまり違う部分は無かったかな?
特装版の特典は、12ページほどのブックレット
1巻のカットになったシーンが載ってます。プチ漫画もあります
toi8さん、木乃ひのきさんのメッセージと紫苑とネズミのイラストも最後らへんにメッセージつきでありますよ
特装版買っても後悔はしないです
次の巻がでても買います
バッテリー 特別編 (初回生産限定版) (あさのあつこ書き下ろし小説付) [DVD]
野球映画はほとんど見たはずなのですが、この作品は、プロでも甲子園でもない、地方の中学が舞台なのに。。。これまでになく心がうたれました。野球を愛するひとたち、見守るおとうさんおかあさんまで、世代を超えて、たぶん野球に関心がなくても、純粋に感動させられる、貴重な映画とおもいます。
登場する野球少年たちの、なんともいえない、すがすがしさ。ひごろ忘れがちな、だけど本来は人生でとっても大切な、友情、笑顔、家族愛、そしてひたむきになってものごとにうちこんでゆくことが、この映画では、限りなく、純粋に、さわやかに、描かれています。中学時代の夏の日に帰れたような、とても幸福な気持ちになれました。
さわやかさ、すがすがしさ、そして静かな感動を心に残してくれる映画です。10代というかえってこない年代、そして野球というスポーツのすばらしさが、心の奥底から、実感できました。このすばらしい映画を製作してくださったみなさんに、感謝、です。
あした吹く風 (文春文庫)
どうしようもない切なさとか、ほとばしるような気持ちが、もっと表現されてもよかったのでは?と思います。
クライマックスがないまま終わってしまったような・・・
二人の会うシーンが少なく、過去のエピソードが随所に織り込まれているのが、逆に主題をぶれさせている気がしました。