究極の田んぼ
レビューを読んでいて、
「岩澤さんは独自に自然農法を編み出した。」
と書いている人がいましたが、著者自身は「自然農法」という言葉は使っていません。
だいたい、手を加えているので、自然農法ではありません。特に育苗を重視していることが違います。
著者が優れていると思うのは、「自然農法」や「有機農業」などという、すでに言葉だけが一人歩きしている抽象的な表現ではなく、「無農薬」「無肥料」「不耕起」という直接的な表現に終始していることです。
また、「環境に優しい農法を実践しているから、採算は度外視です!」
という趣味農業にのみ許された偽善的な姿勢ではなく、あくまで農家の経営を成り立たせるための低コスト・高効率な栽培方法を追求していることです。
「化学肥料」と「農薬」を一緒くたにしているのは、この類の本にありがちな欠点ですが、貪欲な知識欲と構想力、実践力はすばらしく、私も農業者として見習わなくてはなりません。
ただ、最近つらつら考えるのは、実際に農業をやっていない人たちが、これら「非慣行農業」について書かれた本を読むことで、それこそが「絶対正義」であり、自分達も農業をやればその正義の実践者になれると思い込むことへの危惧です。
私も農外参入で、以前はそういう傾向がありました。
ただ、私は最初に農業を習った場所が、あくまで農業をビジネスとしてとらえていて、未熟な情緒論を排していたことと、初期の頃に、有機農業に批判的な方(以前は有機農業に挑戦していた)の理論を聞いたために、いくらか客観的に農法を眺めることができるようになりました。
著者も語っているように、農法には地域性があり、ひとつの農法がすべての地域で活用できるわけではなく、周囲の環境条件をよく見きわめる必要があると思います。
「何がなんでもこの道で!」
という姿勢が、逆に農業を志す若者の未来を狭めることにならないかとちょっと心配です。
著者が望んでいるのはまさにそういう意気込みなのですが。
青森の逆襲 (地域活性化本)
津軽に住んでるので、あずましい津軽に共感しました。
ほんと貧乏なイメージの青森がこの本で豊かな青森に変身です。
そうなのよーあくせくしなくても、田舎は大家族で3人以上の働き手があればゆったり毎日温泉に入って、スローライフを楽しめます。
まあ手前味噌っていえばそうなるけど、青森を再発見出来ます。
Acoustic Live~君の住む町へ~
海援隊は数多くのライブ盤を出しているが、本CDは極最近のもの。
解散前と比べるとやはりメンバーの老いというものを感じてしまうが、武田氏の円熟味の増した歌、人生の酸いも甘いも経験したその話にいつの間にかぐいぐいと引き込まれて行く・・・。そして会場の雰囲気が実にアット・ホームだ。
海援隊は現在、小中都市を中心に廻っている。比較的小さなハコでやるのだが、聴衆に「まっすぐな歌」を届ける姿勢は、音楽界随一といっても過言ではない。