ヘアピン・サーカス [DVD]
現代の映画のように複雑な伏線や驚くような結末などはない。
むしろ当時としても話は非常に単純である。
主演の見崎清志氏は俳優でなくプロのレーサーでヒロインの江夏夕子氏もA級ライセンスの保有者との事。
そんな演技が本業でない人間を主役に起用しているが、クールで倦怠感のある男を上手く演じたと思う。
深い理由などなく享楽的にスポーツカーで夜を疾走する者たち。
結末は一見勧善懲悪的に見えるが、主人公のエゴの結果でもある。
プロデューサーの安武龍氏はバニシングポイントなどアメリカンニューシネマの影響を受け、日本でも今迄に無い感性の作品を創ろうとしこの作品を完成させたとの事だがその意図は見事に成功している。
当時のファッションや街の様子を観ているだけでも興味深いが、主人公の気持ちと同様、全編を通して突放したような冷めたような物語は現代の作品と比しても劣る事無く素晴らしい。
Light Mellow和モノ669―Including city pops,J-AOR,Japanese mellow groove and more… (MYCOMムック)
金澤寿和氏を筆頭とし、信頼出来る方々のリコメンドは
参考になる本かと思います。
ただ、いくつか言うとすれば、
『良くも悪くも選者の趣味』があるということは確かです。
つまり、載せられているアルバムすべてが、
金澤氏のお気に入りというわけでもないようです。
よくよく読むと、『OO氏はこういう系統が好きだな』と
解ってきます。
それを解ったうえで、活用するのが一番かと思います。
無論、その1人1人のカラーの違いが、
多彩なものを紹介できている側面もあるので、否定はしていません。
ただそう言った点での多少の残念なところというか、
難しいところは、
LIGHT MELLOWという名前で表現しているが、
『ライトなだけ』『メロウなだけ』という作品も多く含んでいる点です。
例えば、角松敏生のAll is Vanityはメロウですが、
ライトではなく重い作品ですし、
しばたはつみのLOTS OF LOVEも寺山修司の詩に歌を乗せた
深い作品です。確かにメロウではあっても。
他にも、斎藤誠氏のようなややフォーキーな音楽も入っています。
逆に、探すとライトだがメロウではないものもあります。
これは活用の際に注意したほうがいいかもしれません。
もういくつかあげれば、比較的最近の発売にも関わらず
廃盤表記になっていない廃盤(在庫切れなだけかもしれないが)
があったりと注意しなければならなかったり、
越美晴の作品のように、CD化されていたのに未CD化になっていたりと
データが甘い部分もあります。
とはいえ、昔の日本の素晴らしい音楽に
目を向けさせてくれる名著であることは間違いありません。
何だかんだ言っても、いい音楽を見つけるのに
かなり役に立つガイドであることは事実です。
バタフライ
う〜ん夢の共演ですね!ただ...こんな事云うのはアレですけどハンコック目当てで買うとほと
んどの人ががっくりくるんじゃないかとねぇ。。ちょっとピンとこないね。ただ...ね、ただ
骨組みの脆さを補って余りあるほどのふくよかな肉付けがある!そうそれが笠井紀美子の歌声
だ!!!この人こんなに歌えるんですよ?まさに絶頂期これ以上歌えてるのが他にあるかな?いや
ないな。
[2]の「テル・ミー・ア・ベッドタイム・ストーリー」も名演だけど、やっぱ初っ端のアップ
テンポナンバーが最高ですかね、うん。もうぅぅうね最高っッって感じ。
やっぱこの人は速い曲の方が断然魅力がでます。
ってな事で笠井紀美子さんを聴いてみたいけどどれから聴こうか迷ってる方には個人的にこの
一枚を強く推します。
マイ・フェイヴァリット・ソングスvol.2 ~エモーション
酔いしれてます笠井紀美子♪
vol.1でひさびさに感動を覚えました。
ずーっと昔レコードで聞いてた曲がドライブしながら楽しめる。
これは至上の喜びです。
TOKYO SPECIAL
ジャズボーカルというイメージの強い笠井紀美子だが、ここでのサウンドは、当時の流行からか、フュージョン色の強いAORをやっている。M1からして、山下達郎作のグルーヴィーでアップテンポの曲で、フリーソウルシリーズにでも取り上げられそうな名曲。その後も、夜の街が似合いそうなコンテンポラリーなナイトミュージックが続いていく。
77年の作品だが、この近辺のJ-AORとも呼べそうな作品は、あまり聴かれずに忘れられていることが多いが、今聴いても充分アーバンで、音色が錆び付いていない。思いつくだけでも、大貫妙子の「SUN SUNSHOWER」や石川セリの「ときどき私は...... 」など、毛色が似ているものが多い。それらは多分に、都会的に洗練されつつも、日本らしい情緒が息づいている作品たちである。
それらの作品中でも、ソウルフルな感触の強いこの作品は、初期UAなど好きな方に、聴いてもらいたい一枚である。初期UAにもあった歌のうまさをひけらかす感じでなく、スッと心に忍び込んでくるような奥ゆかしさがある。