ストロベリーショートケイクス [DVD]
岩井俊二監督の『リリィ・シュシュのすべて』では、日本の中学生が抱えるな悩みが赤裸々に描かれていたが、若い女の子も心の中ではやっぱり深刻な悩みを抱えていたのだ。フリーターの里子(池脇千鶴)とデリヘル嬢・秋代(中村優子)、OLのちひろ(中越典子)とイラストレーター・塔子(岩瀬塔子)の2組を通じて、都会で暮らす女の子の孤独や心の痛みが自分のようなオッサンにもひしひしと伝わってくる作品だ。
前半は月経のメタファーかとも思われる“月(神様)”や”恋人(男)”が現れて、都会の孤独から自分たちを救ってくれることをひたすら願う、ちょっと“甘ちゃんな”女の子たちが登場する。失恋や仕事上の挫折を通じて、ちょっぴり人生の“酸っぱさ”を味わった女の子たちが、「神様なんかいらない」と少しずつ人間的に成長していく様が後半に描かられる。甘いスポンジケーキの上に酸っぱいイチゴがのった『ストロベリーショートケイクス』は、まさに子供と大人の中間を漂っている劇中の女の子たちを形容するのにピッタリなタイトルだ。
作品にリアリティももたせるために不可欠な大胆な濡れ場以外にも、あまり意味のない場面でも女優たちにやたら服を脱がせすぎたせいか、R−15指定という憂き目にあった作品でもある。これが客寄せパンダ的な演出ではないことをせつに祈りたい。それと、ボリューム最大にしても聞き取りにくい、モゴモゴとしたしゃべり方は何とかならないものか。それが結構重要な言葉だったりするので始末に終えない。
金閣寺-The Temple of the Golden Pavilion- [DVD]
舞台はNYで観ました。役者、演出全て文句のつけようのない良い舞台です。撮影は2012年2月12日に撮影したものです。
脚本は、原作の言葉の美しさを損なうことなく、脚本化していました。
演出では、特に寺での作務をダンス的な動きで表現したところや、机を見立てで使ったところや、音の使い方が素晴らしかった。
役者はすでに2011年1月の初演から1年を経過しているのに、あいも変わらず素晴らしい演技。役への没入が見て取れて素晴らしかった。森田君がジャニーズという偏見なしに、今後様々な役ができる機会に恵まれることを祈ります。
宮本さんの舞台は、なかなかDVDにならないので諦めていたのですが、今回の発売は感涙ものです。
追伸:本当に舞台のみで、演出家や役者の特典映像は全くないです。