先日、子供たちを映画館に連れて行ったときに、次回ジブリ作品との、大型ポスターを見て「もしや？？」と・・・。今朝のワイドショーを見て「やっぱり！！」でした。私も昔々小学生だったころ「なかよし」での連載で読んでいました。映画も楽しみですが、その前にどうしても高橋千鶴先生の作品で読み返しておきたく購入しました。宮崎先生も３０年前に姪子さんがアトリエに忘れていった「なかよし」を読んでからずっと構想を温めてこられたとのこと、正直びっくりですが、何だか同じ時間を共有できたようで嬉しく思いました。時代背景も含めリアルに小学生の少女だったときに、少女の気持ちで、この作品を読めたこと、そして時を経て自分の子供と一緒にまた映画という形で出会えること・・・不思議な幸福感があります。たかがマンガ、されどマンガ・・・その年代（年齢）ごとの気持ちで多くの作品を「読む」ことは時を経て色々な「カタチ」になるものだと改めて思ったりしました。

この作品はとても映画らしい映画でした。僕が特に良いと思ったのは、ロケ地とカメラ。ストーリーは貧困の話ですので、中流階級以上の観客にとって共感しやすい話ではありません。ただ、その貧困と不器用が織りなす閉塞感を函館の映像・ヌーベルバーグのようなタッチのカメラワークで見事に表現されており感銘を受けました。たとえば、海で綾野剛と池脇千鶴がキスするシーンがあるのですが、ロマンチックな行為とは裏腹に、背景に寂しい雰囲気の函館の橋？がオーバーラップするような構図でとることで、水の中で行うキスシーンでよくある開放感を抑制されています。こういう設定自体は原作の雰囲気から来ているのでしょうが、映像化する過程で。かなりはまるロケ地を選定して作りこまれていて驚かされます。
また、異性としてあまり魅力のないキャラクターたちのラブストーリーなので、その点も面白かったです。函館弁でひたすら不器用な性格の綾野剛と貧乏臭い池脇千鶴の演技はレベルが高く、好感度が高かったです。それも両者身体がとても良く、良い配役であったのではないかと思います。
ただ、一つ思うのは、映画としてだらだらと長い。湿った感情が爆発するシーンが何度も繰り返し映されると、映画的なカタルシスが感じづらいので、その点は映画的というより文学的な仕上がりで少し僕の趣味とは違いました。
ちなみにベルリンで金熊賞をとった「愛より強く」という映画と非常にテイストが被るので、気に入った方はこちらも見てみるとよいと思います。

場末の映画館である日の午後観た。閑散とした客席でとうてい大入りというわけではなかった。あまり宣伝もしてないのでしょうがないだろう。物語は悲しく希望のないものに見えたが、最後は幾分ハッピーエンドを感じさせてくれるものになっていた。それだけが救い。女性主人公(池脇)の役柄に比べると男性主人公(綾野)の役柄は不幸度において劣る（あまり不幸ではない)。

美空小６-１の最初（で最後か！？）のＣＤです。
工藤むつみの歌う、深爪ファイター~キャンディ伊藤のテーマ
林野まさとの歌う、アゴより愛をこめて　は、私のおすすめです。
トークもあったりして充実しています。
6年2組盤と一緒に買えば楽しさ倍増か！？