きょうのできごと (河出文庫) |
読み始めの3ページ程は関西弁がしっくりとこない気がして、最後まで読めるかどうか不安になっていたのに、
気がつくと微笑みながらページをめくり、読みづらいどころかすらすらと進んで、 残りのページの方が少なくなっているのに気がついた。 時が経つとあの頃を思い出せなくなりそうな自分がいやで、映画をみた直後は原作を読む気になれなかったのに、 今は何の構えもなく心にすんなりと入ってきて、何度も読み直したくなる。 そんな、さわやかな作品に出会えてちょっと、こころがなごんだ。 |
本からはじまる物語 |
「本」や「本屋」に纏わる18の短編集。
ただ単に「本」といっても そこから始まる物語は幾重にも広がって行く。 恋愛物あり、SF物あり、ミステリー物あり、 作家によって大きく変わる本に纏わるエトセトラ。 非常に読みやすく 本や本屋好きにはたまらない1冊ではないかと。 ただ最初と最後の物語が 似通っていたのが残念といえば残念。 本が翔んでいく、という目の付け所が一緒だっただけだけど、 最初と最後の1編に入れたのは意図的だったのかな? どちらもファンタジーとしては悪くはなかったけれど・・・。 本や本屋好きには、これ以上の出来事がもしかしたら起こっているかもしれないし、 これから起こるかもしれない。 たくさんの夢や感動を与えてくれる 本や本屋に感謝しつつ 本を閉じよう、と思えた1冊でした。 |