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ゴルファーズ検定



クリムゾン・キングの宮殿
発売されてから40年近く経ちましたが、その燦然と輝く音楽自体の完成度の素晴らしさに一体何をどう評価すれば良いのか、ということに怖気づきながら、書き込む勇気が無かったわけですが、ほぼリアルタイムで聞いてきた音楽ですから、感想を述べたいと思っています。

発売当時の1969年はまさしく激動の年でした。ベトナム戦争は混迷を極めた後、アメリカが辛酸をなめ、日本の大学はロック・アウトされ、東大は入試ができませんでした。時代を反映するかのごとく、音楽は常に革新性と斬新さを求めた時代でした。今から思えば『アビイ・ロード』の完成度の高さとは別の次元の音楽として『クリムゾン・キングの宮殿』が登場したのですが、日本の音楽シーンでは、すぐにはこの偉大なアルバムの評価は定まらなかったと思います。つまり世の中がついていけなかったわけですが、コアなロック・ファンによってこの不朽の名盤は、口コミによって少しずつ支持されていきました。

何十回となくこのアルバムを聴いてきました。今から40年ほど前、このような宇宙的とも言える広がりをもつ音楽と遭遇するという体験は、未曾有の領域へと連れていかれるものに等しく、ただひたすら流れ出る音の洪水の中に身を任せていると、まさしく未知なる遠い地平へと連れて行かれる感覚に襲われました。暗い部屋で大音量の中でこれを聴くことによって恍惚感を得られ、まさに天上の音楽となり得たのでした。

クリームもレッド・ツェッペリンもE.L.P.もそれぞれの音楽を確立し、後のロック・シーンに大きな影響を与えてきましたが、キング・クリムゾンは別格の存在でした。
この5曲の構成の妙とそれぞれの水準の高さ、また高貴でありながら狂気の部分を併せ持つという多面性において『クリムゾン・キングの宮殿』を越えるアルバムはない、と言えるでしょう。

 

In the Court of the Crimson King
このアルバムの収録曲でよく話題にのぼるのは「21st〜」と「エピタフ」ばかり。この2曲は確かにいいと思う。しかし自分にとっては「ムーンチャイルド」と「クリムゾンキングの宮殿」こそがこのアルバムのベスト。

穏やかさ・不吉さが混じった様な不思議な雰囲気のインプロが延々と続く「ムーン〜」。穏やかな雰囲気が色濃くなってきたところで曲がフェードアウトしていく、と思いきや突然「クリムゾンキング〜」のファンファーレが鳴り響く。初めて聞いた時は鳥肌が立った。語りの歌からサビのコーラスまでの上昇していく様な曲展開もすごい。曲が終わった後少し経ってフルートの音色から再開、そしてサビのリフが繰り返され唐突に曲が終わる。幻想的だが、無機質かつ突き放す様な冷たさを感じさせる。こんな曲は聞いたことがなかった(今でも)。


 

クリムゾン・キングの宮殿 (ファイナル・ヴァージョン)(紙ジャケット仕様)
あまりにも傑作とか、今日までCMやらで抜粋されることが多く、Kクリムゾン・ファンとしては、これだけで、Kクリムゾンを知った気持ちになられることに、不満というか複雑な心境である。

プログレといわれるグループの初期アルバムは未完成な印象や方向性が定まってなかったり、あまりにも実験的すぎたりする例が多くみられるのだが、クリムゾンに関しては、この1作だけでも作品としても商業的にも完結をしているのが特徴と思う。

この作品には、この時代にプログレ界で活躍しているミュージシャンが多数参加しており、そういった意味でもプログレを代表するアルバムであることは間違いない。
しかし、Kクリムゾンを誤解してはいけないのは、この作品と同じ音を次作や別アルバムに求めてはならないということだ。
また、好き嫌いは別にして、評論家や他のリスナーのアルバム比較や技術的評価に惑わされてはならない。

全ての参加者が、各配役をこなし、総合芸術として創作されているのがKクリムゾンなのだ

先日、とあるカラオケ・ボックスで「21世紀の精神異常者」と「クリムゾンキングの宮殿」が曲リストに入っていたのには驚いた。

 

Neal & Jack & Me: Live 1982-1984 [DVD] [Import]
キング・クリムゾンの貴重な映像がDVD化された。以前ヴィデオで出ていた2本が一つにまとまり嬉しい。

フランス公演の方はヴィデオ黎明期に出てから長らく入手困難だったもので、ヴィデオでDGMより数年前再リリースされ今回DVDに収録された。ただ収録時間は短く、ブリューがいささか不調で緊張気味な感じでクリムゾンにまだ馴れてなかったよう見受けられる。

出来映えいいのはやはり日本公演のほうだ。ブラフォードのベスト・プレイが鑑賞できるし、ブリューも調子が良く完全にクリムゾンに溶け込んでいる。ブリューのあの能天気な明るいノリが嫌だ、という声を聞いたことがある。しかしちゃんと押さえどころは押さえ、クリムゾン・ミュージックには忠誠心を持って貢献していると思う。ノリノリなのはブリューだけではない、レヴィンもブラフォードも、フリップですら顔や体をくねらせたり椅子から思わず腰を浮かす瞬間もかなり見られるではないか。神妙に厳かな雰囲気でないとダメなのだろうか?

欲を言えば…内容はヴィデオ版と同じである。日本公演の方は編集加工されてるが素のヴァージョンで見てみたい。両公演とも未編集の原版があると思われるが、それはいずれDGMから出すのだろうか。音声がドルビー化したのはいいが、原画像にノイズのちらつきも若干あり映像もリマスターして欲しかった。

そうなると70年代の映像もあるはずだし、80年代のもクリムゾン立ち上げ後とかの映像もあるはずだ(海賊盤があるので…)。DGMなら信頼できるのでこれから音源だけでなく、映像ものも発掘されることに大いに期待したい。


 

ニール・アンド・ジャック・アンド・ミー [DVD]
賛否両論な80sクリムゾンのライブ。ある意味貴重なソースです。個人的には「賛」の方なので非常にうれしい。20年前に友人宅でライブインジャパンのビデオを見て以来、いつかほしかった、でもそのうち廃盤になってしまった映像がDVDで手に入るだけでも星5つです。しかもフランス?だったかの別ライブの映像もある。これで星7つです。
が、なぜかビデオに収録されていたdiciplineが未収録!昨今のクリムゾンのヘビーなカラーにそぐわないからかもしれませんが、80sの象徴としてこれは入れて欲しかった。ということで星3つ(!)減点です。おしい。

 

Eyes Wide Open (2pc) [DVD] [Import]
キング・クリムゾンのライヴを2枚のディスクに収録しています。
1枚目は2003年に東京で行われたライヴで、
2枚目は2000年にロンドンで行われたライヴです。
収録音声に若干の不満はありますが2つのライヴを収録して
この値段は大満足の1枚です。絶対買わなきゃ損!
リージョンフリーなので日本のDVDプレーヤーやPS2で観れます。


 

Noise - Live at Frejus 1982 [VHS] [Import]
~この映像はこのコンサートのメイン・アクトのロキシーミュージックがビデオ取りする際そのテスト的に前座のクリムゾンの映像もとったというのが真相のようです。だから画像、音質ともにあまりよくありません。でも個人的にはオープニングのWaiting man でパーカッション→スティック→ギターとシーケンシャルフレーズが重なっていく部分や他では映像でみれないThe~~ sheltering sky などスリリングですばらしいです。discipline 期の再評価がなされた今、ロバート・フリップ卿のタキシード姿とともに楽しめる作品だと思います。~

 


# 65 : In The Court Of The Crimson King - King Crimson


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