TBSラジオ系「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」でしまおさんの人柄を知った新参ファンの感想です。
番組中では、担当編集者につけられた「現代の向田邦子」なるキャッチフレーズをからかわれていましたが、
彼女と向田邦子に重なる点があるとすれば、それは文章の美しさというよりも、豊かな感受性であるように感じました。
(もちろん、美文であるというのもそのとおりなのですが。)
読み始めて数ページめくった頃にはすでに、彼女の着眼点、物事への眼差し、リアクション、解釈、
そのすべてをたまらなく好きになっていたように思います。というか、惚れてました。
こうなると大変で、
しまおさんが悲しんだエピソード(たとえば身近な人との別れ)を読むと思わず泣きそうになってしまうし、
何かにイライラしていると(たとえば買い物中の友人の態度)こっちまで申し訳ない気分になってしまうし、
何よりも、彼女が好きな(好きだった)男性について語るときには、勝手にヤキモチを焼いてしまう始末。
と、あまりセンチメンタルな感想ばかり書いてもしょうがないのですが、
とにかく、途中から本を読み終えるのが心の底から惜しくなるほど、自分にとって大切な一冊になりました。
タイトルは「ガールフレンド」。
ですが、この本を読んだ男は「しまおさんのボーイフレンドになりたい」と思うはずですし、
そんな人となら一緒に美味い酒を飲み交わせそうだと思いました。
しまおまほさんとは丁度同じ世代です。それを考えると、「お風呂も
水道もなかった」エキセントリックな家で育ったまほさん、ご両親のポリシーを感じます。おばさんのマヤさんとの交流、人の死について思うこと、失恋、本当に繊細な人だなと思うと同時に、冷静な観察眼はさすが!と思いました。高校生のときにお昼の45分をどうやって過ごすか悩んでいたあたり、ああ、普通の高校生(そしてクラスに一人、そういう人がいるかもしれない)の夢破れた雰囲気がよく出ていました。
これからもエッセイを読みたいです。漫画で読むより人柄がしっくりとよくわかりました。