97年発表の20作目。前作完成後、リック・ウェイクマンが脱退。『Union』の頃から裏方としてイエスに関わっていたビリー・シャーウッド(g、k、vo) が正式に参加した作品。
ゲストとしてTOTOのスティーヴ・ポーカロ(k)、後にイエスに正式参加するイゴール・コロシェフ(k)がゲスト参加している。
1.は90125路線を更にハード・ロック化したかのようなどっしりとしたリズム隊が印象的。コーラスも重く、弦の絡みも素晴しい。黄金のメンバーでお茶を濁していた時代の作品とは明らかに異なる高品位かつ、革新的な一曲に仕上がっている。2.はエレクトリック・シタールが導入された中近東風味のハード・ロック。以外と珍しいジョンとクリスのヴォーカルの掛け合いやヘヴィなベース、シャーブなギター・ソロなど聴きどころ満載であり、まさに快心の仕上がり。シンプルさに徹したアレンジが功を成していると思う。3.も90125路線に70年代風のエッセンスを導入したハイブリッド的な曲だが、トレヴァー・ラビンなしでも十分に同等のクオリティを出せることを示しているかのようだ。4.はカリプソ調の佳曲。ジョンのそろにありそうなポップな曲だが、さすがにイエスでやるとサウンドの重みが完全に別次元だ。5.ではリード・ベース、そして素晴しいオルガン・ソロも満喫出来る。6.は何とレゲエだ。
とにかく聞いていて元気になれるイエスの作品というのは珍しい。曲も複雑さよりもメロディをいかに聞かせるか?ということに主眼が向けられており、聴覚上の圧迫感がほとんどなく、楽曲そのもののバラエティもかなり豊か。前向きな姿勢がヒシヒシと伝わってくる快心の一作である。
「バニラ・スカイ」としてリメークされたが既にこっちを観ていたので多分これを越えることは無いだろうと思い、まだ「バニラ・スカイ」を観ていない。それくらい、よくできている。
夢と現実の区別がつかなくなっていく主人公の苦悩がよく表れていた。なんだか「クラインの壷」を思い出してしまった。
バニラ・スカイを見た後に、こちらを見ました。バニラ・スカイよりわかり易いのは、みなさんのおっしゃる通りですが(バニラ・スカイも決して難解ではないですが)、やはりインパクトと金のかかりかたで、僕はバニラ・スカイを推します。音楽もよかった。ただし、ペネロペファンの男性は、買っても損しませんよ。こっちの方が、露出度が多いですから。
アレハンドロ・アメナーバル監督のテシスに続く長編二作目。
ハリウッドリメイクされた「ヴァニラスカイ」を先に見たため、
やはりしょぼさが目に付く。
ハンサムがハンサムに見えなかったり、金持ちが金持ちに見えなかったり。
記号を記号として扱わざるを得ない苦しさ。
これは制作費などの制限が大きいのだろう。
が、脚本や展開は何も変わって居らず、物語の根本は揺るぎなく、ここに。
これから見る人には「ヴァニラスカイ」をすすめる。