原作者アン・ライスがトムの配役を酷評し続けていたのに、完成作品を観た直後180度一転し、大絶賛したという、いわく付きの映画。
しかし、トムの見事なまでの役作り、調度品の細部に到るまでの丁寧な造り、いま観ても素晴らしい映画です。
ルイの語りをインタビュアー・マロリーが録音し続けていくわけですが、観ているこちらも、あたかもその場にいたかのような不思議な感覚に囚われます。
劇場で観た時に私が虜となったのは、キルスティンでした。
初めは本当の子供。物語が進むにつれ、肉体は子供、精神は大人、という難しい役を見事に演じています。
子供の肉体のままでは、ルイと共にいられない...彼女の哀しみがヒシヒシと伝わってくるのです。
血みどろなシーンも多々あるのですが、永遠を生きる者達の苦悩と愛を描いています。
ラストでレスタトがルイを皮肉る台詞が「ああ、本当に永い時間を生きているんだな」という事を印象付けていると思います。
余韻に浸ったままエンド・ロールを観ていたら
リヴァー・フェニックスに捧げる
キャストも製作
スタッフも、全力で取り組み素晴らしい作品を作ったのだ...と痛感した、ひとことでした。
「あのさぁ『夜明けのヴァンパイア』(ハヤカワ文庫NV)読んだけど、ルイってば自分に都合いい様に事実を歪曲して書いてンじゃん。あんま、ふかすんじゃねーよ」――と、ヴァンパイア界のやんちゃ王子レスタト様が仰ったかどうかは不明だが、本書は件の「夜明けのヴァンパイア」に対抗したレスタト様が、ご自分の半生を交えルイの筆が及ばなかった事実を描いた物語である。と同時に、永い眠りからお目覚めになったレスタト様は、どーゆーわけか現代のロックにはまっちゃって、即行で音楽業界に殴り込み。ヴァンパイアなのに歌手デビューしちゃうのだ(ヴァンパイアが歌手になるのはS・P・ソムトウ作「ヴァンパイア・ジャンクション」の少年吸血鬼ティミーの方が本作より一足早かった模様。こちらは、!年齢的にきっと全米ティーンのアイドル的存在でしょう)。もともとヴァンパイアは誰がどうやって作り出したの? という謎も判明し、本シリーズでのヴァンパイアたちの微妙なスタンスも把握できる。ああ、それにしても、レスタト様はヴァンパイア人生を謳歌してらっしゃるなぁ。ルイ、悩んでばっかじゃダメじゃん。
1. ジョン・レノン/スターティング・オーヴァー2. ブリトニー・スピアーズ/ノット・ア・ガール3. N.E.R.D./ロック・スター(Jason Nevins Remix Edit)4. シックスペンス・ノン・ザ・リッチャー/ドント・ドリーム・イッツ・オーヴァー5. ロクセット/愛のぬくもり6. イギー・ポップ/ラスト・フォー・ライフ7. X/ワイルド・シング8. ケニー・ロギンス/デンジャー・ゾーン9. ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース/パワー・オブ・ラヴ10. サバイバー/アイ・オブ・ザ・タイガー11. デュラン・デュラン/007/美しき獲物たち12. アイリーン・キャラ/フラッシュダンス~ホワット・ア・フィーリング13. リマール/ネバー・エンディング・ストーリーのテーマ14. カルチャー・クラブ/君は完璧さ15. UB40/好きにならずにいられない16. ケイト・ブッシュ/ディス・ウーマンズ・ワーク17. ブロンディ/コール・ミー18. ブライアン・フェリー/悪魔を憐れむ歌19.
デヴィッド・ボウイ/スペース・オディティ20. ポール・マッカートニー&ウイングス/007/死ぬのは奴らだ 計20曲79分59秒収録 業界最大ポップコーンCDレーベル CDオリジナル書き下ろしイラスト Weekly ぴあ 掲載イラスト・コラージュ・トレイ 収録曲の映画作品DVD解説 CDの限界ギリギリの79分59秒収録
音楽、映像、雰囲気がとにかく美しいです。
アン・ライス著の原作『夜明けのバンパイア』では主人公ルイがバンパイアの超越や存在についてしつこいくらい思い悩み、それほど魅力を感じないのですが、この映画の中のブラット・ピット扮するルイは儚いながらも力強く情熱に溢れとても魅力的です。
クロウディアを演じた
キルスティン・ダンストの演技がとても上手く、トム・クルーズのレスタトは圧倒的な存在感を作品全体に漂わせます。テンポもよく豪華なので観客を引き込んで飽きさせません。
音楽の使い方が上手く、余韻を残すラストも賞賛できます。
ただ、全体に漂うエロティシズムな雰囲気は、それを「美」とみるか「卑猥」ととるかで随分個人差があり、くすぐったいような何ともいえないものがあります。
好きか嫌いか二つに分かれる映画ですが、一見の価値はあると思います。美しく危険な雰囲気に酔いたい方にはおすすめです。