アニメ放送開始を間近に控え、さらにファン層の拡大が予想される『
ひぐらしのなく頃に』ですが、この本は、アニメやコミック版を視てファンになったという方から、原作と最初から付き合っているディープなファンに至るまで、幅広い層に受け入れられそうな全方位対応型のファンブックです。
内容は大きくカラーページとモノクロページに分かれ、カラーページは各方面で活躍中のイラストレーター(総勢21名、かなり
メジャーな方も含まれます)による、それぞれの編の象徴的なシーンをモチーフとしたイラスト集と、原作者・竜騎士07氏によるパッケージイラストやゲーム内で使用された立ち絵等の紹介からなっています。カラーイラストはどれも力が入っており、元々ビジュアル面では特筆するべきものがあまり無かった原作に花を添えるものとして充分な質を保っていると感じました。
モノクロページは、竜騎士07氏書き下ろしのミニシナリオが3篇(見開き大の挿絵が入ります)とオリジナルの"おつかれさま会"、用語集、参加イラストレーターの方々の一口コメント、"裏おつかれさま会"としての
スタッフインタビューと言った内容です。『ひぐらし』初心者には用語集は嬉しいでしょうし、表・裏のおつかれさま会はディープなファン必読の内容を含んでいます。
注意すべきは、『
ひぐらしのなく頃に解 目明し編』までプレイ済みであることが前提となっていますので、多くのネタバレを含んでいる点ですね。現時点ではアニメとコミックがどこまで作品化されるのか不明ですが、そちらから入ったファンの方は特に要注意です。また、当然『第6編 罪滅し編』以降のネタは入っていないことも理解しておかねばなりません。
全体として『
ひぐらしのなく頃に』の魅力を伝えると言う意味では充分な一冊だと思います。