寺内貫太郎一家も1話目は小林亜星の演技にも堅さが見られたが回を重ねるごとにその演技も地に着いてきた。周りの人との会話もはずみ今には見られない食事シーンは、我が家もああいう雰囲気でしたいと思う一風景であると思います。昨今、会話が少なくなってきたとともに、食事を皆で囲みながらワイワイ、ガヤガヤというのは今は薄れてきているのではないだろうか。。。テーブルではなく、お膳での食事というのがいかにも良い。いつ見ても、何回みても飽きないドラマだと思う。
是非、寺内貫太郎一家2のDVD化も望みたい。
著者の長編第1作なので、文章の味わいや小説技巧はまだ熟していないけれど、
それ以上のものがここにはある。
テレビドラマを見ている人は、登場人物の動きやセリフが、映像になって浮かんでくる。
周平は西城秀樹だし、貫太郎は小林亜星、きんさんは
樹木希林、
ミヨちゃんは浅田美代子、お母さんは加藤治子、
足のわるい静江姉さんは梶芽衣子(
タランティーノ映画でリバイバル)、
今でいえば「踊る」のスリーアミーゴス的な、伴淳、左トンペイ、由利徹。
映画やドラマではよく泣いたが、音楽や本では数少ない。
『寺内』の後半、お祭りの章がある。
にぎやかに、しっとりと、下町谷中の町内祭りの様子が描写されていく。
その中でミヨちゃんだけ笑顔がない。この顛末には、涙が流れた。
著者を含むTVドラマの制作関係者が、
タイトルをつけるのにとても苦労し、
ある日、向田さんが青山墓地でひらめいて、久世さんに怒った口調で電話してきたこと。
演出の久世さんが主役の貫太郎役に抜擢した小林亜星さんに対して、
最初、向田さんは大反対していたことなどが、解説に書いてある。