13巻が発売されてはや6ヶ月。待望の14巻が発売されました。
12巻辺りからレビューを書いているので、今回もレビューを書いてみようと思います。
前回よりも場面があっちこっちに飛ぶ頻度も少なかったと思いますが、やはり今回も
飛びはします。
しかし、今回は「今の状況になるまでの経緯」が書かれている事が多かったので、
前回の話や今までの話を忘れていても「あぁ、そういえばそうだった!」と思い出せるような
配慮がされていて良かったと思います。
又、前回は急ぎ足な描写が多く、それぞれの場面がぶつ切り状態のまま違う場面に飛ぶ事が
多かったのですが、今回は1つ1つの場面にある程度区切りをつけた状態で場面が飛ぶので、
冒険パートも戦争パートもじっくり落ち着いて読む事が出来ました。
今回はそれぞれのキャラクターの成長が分かる場面も多く、なかなか出番が無かった
キャラクターも一気に動き始めます(今回ルルフェの登場はありません)。
意外なキャラクターが意外なところで登場し、活躍していたので私も驚きました。
内容を大まかに分けると、冒険パートと戦争パートが大体半々といった感じでしょうか。
今回のデュアンは「勇者デュアン」ではなく「
冒険者デュアン」といった、勇者と呼ばれる前の
デュアンっぽい描写で書かれている場面が多かったので、彼の出てくる冒険パートはシリーズ中期の
冒険の空気が感じられて懐かしさを感じると同時にワクワクしました。
その他の冒険パートでもシリアスの中に所々コミカルな場面が出てくる事が多く、それが丁度良い
息抜きになりましたね。
コミカルな場面での挿絵は絵柄がギャグという訳ではありませんが、文章と合わせると自然と
ギャグっぽく見えるのが不思議です。
しかし、戦争パートの雰囲気は相変わらず重く、とても緊迫しています。
ただ、その中にも大きな流れの変化があった事は確かです。
物語もとうとう大詰めとなってまいりました。
奇跡と絶望が入り混じる壮絶な戦いがどのような終わりを迎えるかは想像もつきませんが、
物語は確実に終わりへと近付いています。
この巻は勇者デュアンとその仲間達が繰り広げる冒険譚の終わりには欠かす事の出来ないものです。
14年間続いたシリーズの終幕を見届けたいと思う方は、その準備の為に14巻を読んでみては
どうでしょうか。
キング・オブ・メロウ、ダグラス・サーク監督作品がついにDVD発売された。
このBOXには初期作品3
タイトルが収められ、いずれもロック・ハドソンが出演している。
「ぼくの彼女はどこ?」
ミュージカル・コメディとのことだが、ミュージカル色は薄くほんの味付け程度。
ユニバーサルでの路線を模索しているような、コメディー
タッチだ。
取り立ててコメントするような内容ではないが、大富豪の遺産を巡るお話は
オードリー・ヘップバーンの初期出演作品「素晴らしき遺産」に似たストーリーで
制作年からするとこの作品が参考にされた可能性もある。
音楽担当としてヘンリー・マンシーニがクレジットされているが、デキシーランド風の
楽曲にメロディアスな彼らしさは感じられない。
初々しいロック・ハドソン、当時の
ハリウッドスター然としたハイパー・ローリー、
加えてジェームズ・ディーンが端役で登場するお宝映像も、、、。
「心のともしび」
サーク作品のミューズ、ジェーン・ワイマン出演作、サーク・メロドラマの開幕だ。
大金持ちのドラ息子(ロック・ハドソン)はモーターボートの無謀運転により、
人格者として知られていた医師を死なせてしまう。
罪の深さに気づき、未亡人(ワイマン)に懸命に謝罪するが受け入れられないばかりか、、、。
ヒロインを襲う不幸(この作品では「失明」)もメロドラマの基本パターンの一つとして定着し、
その後の多くの作品に取り入れられている。
原典は「ライムライト」だろうが、泣かせドコロを心得たストーリー展開だ。
ハドソンの登場シーンが多くなって存在感が増し、ワイマンとの初コンビもなかなか息が合っている。
カメラマン、ラッセル・メティとサークとの初コンビ作品でもあるが、
ビビッドな映像美はその後多くの映画人たちに影響を与えている。
「天が許し給うものすべて」
ハドソン+ワイマン、サーク+メティ、二組のコンビでサーク・ワールドは早くも佳境に入る。
「身分違いの恋」は後にトッド・ヘインズ監督、ジュリアン・ムーア主演の「エデンより彼方へ」
をはじめ多くのオマージュ作品を生み、一つのパターンとなる。
・コレクション2では、いよいよ代表作「悲しみは空の彼方に」が登場する。
著者の代表作『フォーチュン・クエスト』の中では、”伝説の勇者”として名を残しているデュアン・サークの駆け出し
冒険者時代の物語。
フォーチュンの方では名前しか登場してないものの、その偉人ぶりは凄い。
さぞ勇ましく強くかっこいいのだろうと想像して本書を読むと、
目が点になるから要注意。
どんな偉人も最初から凄かったわけではないということがよくわかる。
さあ、伝説の勇者はどういうふうに強くなりどういうふうに出来あがっていくのか。
先が楽しみな、少年の成長物語。