これ1冊で
富士山の構造と成り立ちから、これまでの噴火、予測と防災、気象、生物などがすべてくわしくわかります。
1~3章では、火山の専門家・鎌田浩毅
京都大学教授が丁寧でわかりやすく、火山としての
富士山の魅力を解説されています。
子供向けの本であるにもかかわらず、専門書のような深みのある内容です。しかし、まったく内容に難しさを感じさせない文章です。
実際、私は気がつくとのめり込むように、あっという間に読んでしまいました。小学生や中学生が十分理解できる文章です。
4~6章では、それぞれの分野の専門家が解説を書いておられます。
富士山の気象では、日本一高い
富士山だから起こる気象現象、気圧や風などふだんはあまり気にかけない人が多いような言葉の解説。
雲のようすについてなど、小学校や中学校で習う内容が豊富な写真と解説でわかりやすく説明されています。
富士山の生き物では、山地帯から高山帯まで存在する
富士山ならではの豊かな生態系が写真と解説でわかりやすく書かれています。
ヤマネやフクロウからフジミドリシジミなどの昆虫などの動物。また、ふもとの落葉広葉樹林から高い木が生育できない「森林限界」など、
気温の違いに由来する植物の住み分けが写真で確認できます。
小学校・中学校の図書室には、ぜひ置いて欲しい1冊です