ふとしたきっかけでこのオーケストラに出会いました。
本当にふとしたきっかけだったんですが、私の友人達に話したらあまりに反応がよかったので、とりあえずこのCDを購入。
エスタンシアは自分も演奏したことがあったので。
1曲目の「センセマヤ」はむかーし違うオケの演奏を一度聞いたことがあったんですが、暗いし、あまり好きな曲じゃないと思っていましたが、とてもセンチメンタルな曲だったんですね。見る目が変わりました。
「ダンソン第2番」、「パカイリグアの聖なる十字架 交響組曲」もよかったですが、圧巻はやはり「エスタンシア」!
オーケストラの演奏でこれほどのパワーを感じたことはありません。音の洪水、情熱、貪欲さ。
もちろん、ウィーンや
ベルリンと比べるのは野暮なのかもしれませんが、何か音楽に対する取り組みが根本から違うのだと感じました。
自分自身の演奏に対する姿勢も考え直すきっかけになりました。
このオケのCDやDVDがまだ数少ないのが残念ですが、これから大注目の楽団です。
今度はいつ日本に来るのかなぁ。。。
コロンビアの架空の開拓村における名家一族の物語。近代化を迎えた村の繁栄を背景にこの一族は豊かで子沢山だった時期もある。が、
タイトルが示す通り、なぜか徹底して愛に恵まれない。100年以上かけて代替わりも数世代進み、やっと愛によって結ばれた夫婦に子供が生まれる「その時」。この最後数ページがクライマックスなんですが、そこまで延々400ページに渡って、時間と運命の円環構造の下で何人もの一族の人間(=みんな似たような名前!)が同じような悲喜劇的エピソードを紡いでいくんだけど、クライマックスに入って怒涛の速さで物語が収束していきます。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、このクライマックスの速度と収束感は、そこに至るまでの永久に続くんじゃないかと錯覚してしまうようなエピソードの集積の後だけに、かなり味わい深いです。
それにしても、各エピソードはユーモアに溢れてるのに、全部読み終わった時に、何でこんなに寂しい気持ちになるんだろう。
ノーベル賞作家たるガルシア・マルケスの作品である。面白くないわけがあるまい。悪霊付きの聖者の物語。いつまでも心に残るたぐいの小説だ。少女は愛に憑かれていたのか、愛のために死んだのか。愛を肯定しつつも否定する話。