兄弟アルバムの「
アナザヘブン コンプレックス-VARIOUS」が、劇中歌とBGMを半々に収録しているのに対し、こちらは純然たるBGM集。音楽担当:岩代太郎の全スコアであることから、「アナザヘブン コンプレックス-SCORE」と命名されている。「VARIOUS」と重複している曲が何曲かあるが、長さもアレンジも完全に同じもの。
「テレビと映画をリンクさせたプロモーション」は、フジ「踊る大捜査線」のブレイクですっかりお馴染みになった。だが、先駆者はテレビ朝日系が企画した、この「アナザヘヴン」なのだ。
大物作曲家:岩代太郎氏が手がけたBGMは、いずれもクリーンかつメロディック。オーケストラ〜電子サウンドを巧みに操り、都会的な旋律を紡ぎ出す。イメージとしては、ブレイクした「
沙粧妙子・最後の事件」の作風に近い。
曲名は全て、Welcome To Another Heaven #xx となっているが、幾つかのバリエーションを除き、それぞれ別のメロディーである。ラストは、LUNA SEAのRYUICHIとSUGIZOが参加した、スキャット版「gravity」。と言っても、BGM中に、河村隆一の「ah-haa..」という声と、微かなギター音がコラージュされているだけの雰囲気モノ。ロック・ソング「
gravity」の別ヴァージョンではないので念のため。
「
VARIOUS」、「
テレビ版DVD-BOX」、「
映画DVD」と揃えたので、「ここまで来たら、完全制覇するか!?」と買ったが、地味な作品なので、聴く人は多くないだろう。質はなかなかだと思うので、一応、お勧めしておくが、気に入らなかったからと言って、石を投げないように!!
飯田譲治のホラー・サスペンス「アナザヘヴン」のテレビ版(〜eclipse〜) DVD-BOX。ボックスと言ってもサイズは普通のCDと同じで、厚紙に12cmケースを放り込んだだけのもの。装丁は簡素だ。内訳は、4枚の本編と、地方版・撮影風景・予告等を収めた
ボーナス1枚の、計5枚組。
猟奇的だった映画版と比べて、テレビ版は映像が美しい。「ホラー」色よりは「超現実」色が強い感じ。それと、
大沢たかお&
加藤晴彦(=アニキと子分)の掛け合いがコミカルで、見ていて楽しいのである。大沢は「星の金貨」での繊細な芝居からは想像しにくい、ワイルドでカッコイイ姿が印象的だし、加藤はメカに強い、イタズラ好きの犯罪マニアという役所を、これ以上ない演技力で魅せてくれる。
問題を起こして停職中の刑事:吾郎。その元に、失踪者探しの依頼が舞い込む。満月の夜、星を見ていたその女性は、マンションの
ベランダから、忽然と消えたのである。同じ日に失踪した別の女性、依頼者の死。その現場で拾った紫の石を手にしたとき、吾郎は、予想もしない不可思議な事件に巻き込まれて行く。
映画版ともリンクしているのだが、巷では「脳みそ連続殺人事件」が世間を騒がせている。その犯人と思われた女子大生:柏木千鶴(かしわぎ・ちづる)が、物語の鍵になっている。華奢な彼女が、怪力の異常者に変身するところが、絵的にインパクト大。演じる元モデル:岡元夕紀子は、神秘的な雰囲気の美人。殺されるなら、美女がいい!という男性諸氏には堪らない人選だ。
LUNA SEAの「gravity」、吉田美奈子の「LUNA ECLIPSE」など、音楽も素晴らしく、「不思議系」の話に弱い人なら、きっとハマると思う。尚、吾郎の相手役で、謎の組織に狙われるヒロインは
本上まなみが演じる。
実に面白く、上下巻で800頁以上ある大作だったが、2日で一気に読んでしまった。犯罪を繰り返す「ナニカ」の正体の追跡、息詰まるアクション、そして思わぬ犯罪に巻き込まれてしまった人たちの悲しみ・・・・。この作品は、特に被害者達や、その家族の状況描写が多く、被害者のボランティアの青年なんかは、我が身を投影してしまった。更にはナニカ」の人間性(?)にも共感を覚えてしまった。二人の刑事の行動は、組織で捜査する現代警察とは思えない行動が多く、リ
アリティを感じなかったが、その点を引いても星5つ。すぐに映画版も見たが、小説の方が面白かった。しかし、大庭朝子役の市川実和子ははまり役。
正体不明のナニカが連続殺人の犯人なんですが、一応別の次元から来た人間という事になってますが最後に登場するそいつを見たら人間とはとても思えないです。だから人間の悪意って言うテーマがイマイチ伝わらないっていうか悪い言い方すると気取ってるって感じがしてしまいます。テーマをあまり気にせずサスペンス・ホラーとして見たらなかなか面白くて特に前半はテンポがよくてかなりいい感じだし江口洋介と原田芳雄のコンビが相性よくて楽しいです。