クロフツのフレンチ警部ものと云うと、地道な捜査をコツコツ積み重ねた地味〜な文章が長々と続く、と云う印象が有るのだけれど、本書に収められているのはそんな従来の固定観念を引っ繰り返す様な短いものばかり。短篇と云うよりショート・ショートに近い。元々はラジオ放送の為に書かれた作品と云うことで、証拠を積み上げると云うより、犯人が犯した些細だが致命的なミスをひとつ、最後にズバリと指摘して呆気無く終わる。物語の流れよりも、一時の謎解きの楽しさをメインに書かれたものと言える。前半の作品群は先ず倒叙形式で犯行を描き、その後でフレンチの捜査と謎解きを、後半の作品群では捜査と謎解きだけを描いている。どの作品もプロットと構成に無駄が無く、簡潔。謎解きもそう難しいものは無いので、一寸良く出来た
探偵パズルの様な感覚で読み進められる。クロフツの意外な一面を見た思いがする。
毎日忙しく仕事をし、お家に帰ってから夕食の支度をしている70代の会社の上司の方に贈ったお品です。お礼の言葉と一緒に「一品一品に優しい味がついていて手作り感をとても感じました」と連絡が有りました。贈って良かったと思った商品です。