今年の4月、あまりにも悲しいニュースが世界を駆け巡りました。そう、VO.レインの薬物使用による死亡、それも死後何日も過ぎてからの発見、、、。雑誌等でカレの薬物使用の件は知っていましたが、あまりにも悲しすぎる結末でした。確かに映像の中のカレは痩せこけていて、何か非常に壊れやすい印象を受けますが、そんなボロボロな状態でもカレの声は、とても良く伸びていて「これなら復活も可能では!?」と思わせるほどです。そして、何よりもメンバー達の表情。”この4人でなければ、AICではありえないんだ”、と言うような笑顔、そしてレインへの暖かい眼差しとフォロー。こんな結末だったのを知ってから観た事もあるのかもしれませんが、とても切なく美しいビデオです。AICの詩の世界は、あまり明るい内容ではなく、音楽も独特のうねりがあるので、苦手に思う人も多いと思いますが、是非この静の部分を感じて下さい。そして、レインの心安らかな眠りを祈ってくれれば嬉しく思います。
Alice in chainsの最高傑作であり、同時に凡そシアトルサウンドと言われるものの頂点に君臨するアルバムである。
このアルバムと匹敵するものはNirvanaのIn Uteroのみだろう。
(影響力という意味では、Nevermindだろうが)
よくAliceのことをメタル上がりで、偽グランジだと言う人がいる。
しかし、重要なことは、「如何に素晴らしいものを創ったか」という一点にかかっているのだということを忘れないで欲しい。
そもそもシアトル・サウンドとは、X世代の自己嫌悪と孤独感を表わしたものであったが、レイン・ステイリーは、人に生死への渇望感を抱かせるという点において、殆んど神の域だった。
ある評論家が、Aliceを90年代のPink Floydであると評価したが、ジェリー・カントレルこそは、正しくロジャー・ウォータースだった。
レインの尽きぬドラッグ癖の中、グランジでは例外的とも言えるツイン・ボーカルというスタイルをここに確立しざるを得なかったという、その「どうしよもない」という事実に反して、とてつもなく高度な音楽が創り出されてしまったのである。
1995年、多くのグランジバンドが失速していく中のことである。
レインの復帰を信じ、幾年という月日をシアトルで
犬と散歩しつつ待ち続けたバンドに復活の二文字が訪れることは無かった。
また、このアルバムがあったからこそ、多くのファンはその二度と訪れるはずも無い復活を7年近くも待ち続けたのである。