見世物小屋で人々の好奇の視線にさらされていた主人公が、ホプキンス演じる医師に助け出され、彼の助力により徐々に人との繋がりを取り戻してゆく。が、それでもなお彼を食い物にしようとする人物が次々と現れ、再び彼を悪夢の世界に連れ戻す。
そうして彼の悪夢のような日常と、医師たちのもとでの平穏な日々とが交錯するドラマを描くことを通して監督のリンチは、醜いもののなかにある美しさ、普通だと思われていたものの醜さと残酷さを浮き彫りにしてゆく。
平穏な日々を送るうち、「異形の人」は創作することのなかに生きることの意義を見出す。その姿は監督のリンチ自身を連想させる。
「異形の人」がその異形の身体を好奇の目にさらすことによってしか社会に受け入れられないように、リンチは自らの「異形のイメージ」を
スクリーンの上にさらけ出すことで世界と繋がる。監督のリンチは、そんな自分のアウトサイダーとしての心情を、エレファントマンという「異形の人」に仮託して表現したかったのかもしれない。
終盤、「異形の人」の人生最良の日となる劇場の場面で、彼の目を通して見られる舞台を描きだす映像は、リンチの作品であると同時にある意味「異形の人」の作品でもある。
空想の世界に生の喜びを見出す二人のイマジネーションの所産である、そのモノクロームの映像が切なくも美しい。
ホワイトストライプスはここ最近のガレージロックバンドの復活とともに知名度を上げたデュオバンド、っていうかガレージロックシーンを牽引する素晴らしい才能を持ったバンド。このアルバムは「エレファント」のアルバムに過去の曲を含め4曲のPV集DVDが付属した、ある意味熱烈なファンのみが気になるアイテム。逆に言えばファンでなければあまり気にならない1枚。ただ期間限定らしいですし、ホワイトストライプスを知らないか、または聴いてみようかなと思っているロックファンには大変お買い得な企画です。ちなみに本作のアルバム自体は4作目。ジャックホワイトがボーカル、ギター、ピアノ、そして姉のメグホワイトがドラムスを担当している。基本的にはギターとドラムスとボーカルだけ、ベースレス・ホーンレスの超シンプルな編成で、ブルース色を前面に出したガレージロックを聞かせてくれる。継ぎ接ぎだらけの商品化した現代ロックとは一線を画したロックバンドです。デジタル処理等近代的処理無し、添加物無しのリアルロック!ロックファンなら何としても知ってはおきたいバンドだと思います。