ロキシーミュージックの準メンバーなどでお馴染みエディジョブソンが85年に発表した、シンクラヴィアによるニューエイジ(個人的にはこの分類大キライなのですが、一般的にはわかりやすいかと)的な作品。当時ほんとに大好きでよく聴いていたのですが、レコードを処分して以来十数年ぶりに聴きました。陳腐な言い方ですが、どの曲もいろいろな風景を思い浮かべたりイマジネーションをかきたてるものばかりで、この手の作品にありがちな単なるBGM的な物とはまったく異なるものです。今聴いてもほんとに素晴らしいですね。ただ、このご時世に収録時間の短さ(約40分)そのままで、
ボーナストラック一切無しというのはあまりにも残念。なので、ちょっと厳しく★3つ。個人的には、この後発表された「ピアノワン」というオムニバス作品(教授の戦メリなども収録されていたちょっと変わったチョイス)に収録されていたジョブソンのピアノ作品3曲を加えてくれればよかったのにな〜、と思います。本作M-6のピアノバージョンが入っていて素晴らしいんですよね、本編以上に。いつか発売されますように。
演奏自体は多くの方が書かれている通りすばらしい、且つ貴重なものだと思います。「Red」「One More Red Nightmare」「The Only Thing She Needs」などは聴いていて胸踊るものがあるし、Eddieのプレイ、Wettonの声もUK時代を思い起こさせてくれます(他のメンバーのプレイもすばらしい)。また、日本公演では演奏されなかった「Awakening」(Mahavishnu Orchestra)も圧巻の凄い出来。
しかし、どうにも音が悪い。ステレオですが、オーディエンス録音かと思われるほど音像がぼやけていて遠い(特にドラムとボーカル)。MCも聞き取りづらい。どなたかもおっしゃっていましたが、上程度の海賊盤並です。とてもここ最近に録られたものとは思えません。30年前に録音された『Night After Night』の方がずっといい。
海賊盤ならばあきらめもつきますが、Eddieがミックス・マスタリングした正規盤なのであればちょっと納得がいきません。また、もしオフィシャルブートレッグ扱いなのであればそれなりの価格設定をすべきだとも思います。
音さえよければ文句なく名盤であったのに全くもって残念。