まずは『アイアンマン2』とのコラボでこの初夏の楽しみが出来ました。CD収録曲はむしろボン・スコットへの愛情が伝わる内容で、既発曲ばかりとはいえちょっと特殊なベスト盤という感じで楽しめます。特筆すべきは特典DVDでしょう。それぞれの時代から抜粋された良質のライブ映像ばかりなので、これは必携と考えてよいと思います。それこそボン・スコットがボーカルをとる初期の70年代の映像には感動すら覚えました。ボン・スコットはかっこよかったんですねー!映画公開も楽しみになるような先行リリース、こういう企画は不景気ながら嬉しいものですね。
主人公は大手兵器会社の社長にして少々調子に乗っている金持ちのプレイボーイ。普段はジョークばかり言っていて“死の商人”と揶揄されても屁理屈を言ってやり返します。この人物がテロリストに拉致された辺りから俄然ヒーローらしくなってきて自社が密売した兵器を破壊しつつテロリストと戦うというのが大体の話ですが見所はやはり何と言っても主役が身に着けるパワード
スーツでしょうか。劇中ではこのコンピューター制御されたハイテクメカの魅力が余すところ無く描かれており、米空軍のFー22戦闘機との空中戦は大いに楽しませてもらいました。戦闘シーンはやはりお金が掛かっているだけあって日本の特撮物より遥かにリアルで迫力が有りますね。変身ヒーロー物やメカ好きの方は結構楽しめると思います。
全3部作とも全ての作曲家が違うというシリーズ。
最後を飾るのはアクションスコアに定評がある、ブライアン・タイラー。
イギリスの名門
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団を自ら指揮してこの大作をレコーディングしている。
打ち込みによるリズムを多用しているが、オーケストラの基盤はしっかりと作っておりとても重厚なスコアとなっている。
メインテーマの旋律もPART3が一番ヒーロー的に感じる。
ラミン・ジャワディの第1作はロックテイストが強すぎてメインテーマの存在が薄れていた感があり、
ジョン・デブニーの第2作は重厚だが、やはり旋律はそれほど印象に残らなかった。
その点のブライアン・タイラーによる本作は、しっかりと人物像を理解したうえで、描写に成功していると思う。
ここで聞かれる
ロンドン・フィルのサウンドは
ハリウッドの演奏団体(例えば
ハリウッド・スタジオ・シンフォニー)同様の重厚さを出しているが、
クラシック音楽を演奏している
ロンドン・フィルの音を知っている人は、弦楽器の綺麗さの違いに気づく筈であろう。
弦楽器の音はまさしく
ロンドン・フィルの音である。
金管楽器も「ドラクエ」の時のような軽い音ではなく、こちらも重いサウンドになっている。
最近のブライアン・タイラーはどんどん良くなってきている。
海外ドラマ「HAWAII FIVE-O」のメインテーマをタイラー流にアレンジしたと思えば(本編も弟子と担当している)、本作のような大作アクション映画もなんのその。
ラストに収録されているアイアンマン3のメインテーマのビッグバンド風アレンジにも脱帽。
英語が判らなくても、ゲーム慣れしている人なら、操作は難しくないと思います。
アイアンマン好きには楽しいゲームです。