ライヴ・イン・ハトヤ |
ちょっと期待しすぎで聴いたので、一回目は「なぁ〜んだ、ソレ程でもないや」という感じでした。
しかし繰り返し聴くと、何とも言えず可笑しくて、昔の深夜ラジオの持つ「音で想像させてくれる楽しさ」 みたいな魅力を味わえます。 もともとタモリさんの芸風が好きなんですが、赤塚さんの可愛らしいキャラクターも見逃せません。 今風の笑いとは違い、大爆笑を期待するとかなり肩すかしをくらいますが、 ドサッとしながらインテリジェンスが漂う、「おやじギャグ」とは一線を画す笑いが味わえます。 「声」の持つ魅力も感じました。 |
千利休―無言の前衛 (岩波新書) |
素晴らしい本。若い時、デザインを学んだ中で茶道や利休の魅力と謎に出会い、そして25年後、この本に出会った。その凹凸のある説得力。非常に平易でふざけているような文節と、滝の上から突き落とされるような鬼気迫る文章とが交互に繰り返される。著者の「マンガを読んで研究した」というイントロからは想像も出来ないシャープな切り口による「結論」に心底感動したことを思い出す。最後に「この本は何の史料にもならないだろう」と著者が謙遜しているが、まさに上記の魅力と謎の本質に最も迫ったものとして、多くの茶道愛好家やクリエティブな仕事をしている人たちに必読書として薦めたい。 |
新解さんの謎 (文春文庫) |
大マジメに書いた書物に、おもしろおかしくツッコミを入れる。 この手の「ツッコミ本(?)」は爆笑すること請け合い! ぜひ一読! ツッコむ対象となる元本が大マジメであればあるほど、滑稽さが爆笑を誘います! 私の場合、特撮ヒーローへのツッコミ本『空想科学読本』、聖書へのツッコミ本『解体聖書』を読んで以来、ツッコミ本は大スキに! 友人とツッコミ本の話で盛り上がっているときに、その友人から『新解さん』の存在を知り、読ませていただきました。 「辞書」という四角四面なイメージのあるモノにつぎつぎとツッコミを入れてあって楽しめましたが、なにぶん、量が少なすぎたのが残念! アッという間に読み終わってしまい、不完全燃焼ぎみでした。 そこがマイナス点かな。 『新解さん』がおもしろかった人は、上の『空想科学読本』『解体聖書』も、ツッコミ本としては、おなじコンセプトですから、オススメです。 |
超芸術トマソン (ちくま文庫) |
数年前には「老人力」という本が大ベストセラーになった赤瀬川原平だが、その原点はこの「トマソン」を中心とした路上観察の世界だ。
かつてせっかく日本に呼ばれてきたものの、実力を十分に発揮出来なかった巨人の「トマソン」選手の名から命名したのは言い得て妙といったところか…。しかし、この彼(赤瀬川原平)の独特の世界というのは何と言ってよいのか、一度味わったらやめられないものがある。かく言う愚生も彼の世界観にハマッてからは、名古屋にまで「赤瀬川原平展」を見に行ってしまった。 多分同じような知的好奇心をお持ちの方はこのようにハマッてしまうだろう。 |