らいか・デイズ (14) (まんがタイムコミックス)
そろそろ、どっかで区切りをつけないといけないのかも。そう思い始めた14巻。
しかし「なぜだ。なぜ春菜に勝てないんだ」と膝を付く竹田君に対して、らいか。
「いつも器用に一問だけ間違える方がよっぽど不思議だよ」と屈み込んで顔を寄せる。しかも冷めた目で。
ここ数巻、後半20ページ位を初期の作風に割り振っていますが、飛び道具的面白さは、こちらの方が上かな。
らいかと竹田君の小6ラブストーリーは行くところまで行ってしまったのかも知れません。
財津先生と養護施設の先生の何年目越しかのクリスマス・ラブストーリーも一区切りです。
もちろん十二分に面白いですけれど、「形になっちゃた」のかも知れません。花丸小物語。
ドラマCDを花道に綺麗に幕引きというのもあり得ますし、マンネリズムに安住の地を見出す方向性も高いでしょう。
しかし、近々『らいか・デイズ 中学生編』がスタートする。或いはアニメ化する。
そんな「らいか・デイズ」の「発展的解体」を期待してしまいます。どう転んでも応援し続けますけどね。やっぱり大好きだから。『らいか・デイズ』。
らいか・デイズ (13) (まんがタイムコミックス)
この行き詰まった時代だからこそ読みたい。そんなハートフルな日常。
むんこスペシャルで本巻の半分位は既知の内容だったが、やはり面白い。
世界観を壊さない範囲で、母のパート勤めや伯父の結婚など少しづつ状況に変化を持たせ、そして少しづつキャラクターも成長し続けている。ほんの少しづづ(人間関係も深まっていく)。
その匙加減が絶妙だと毎回感心してしまう。実際世の中は変わっていくのだ。変わってしまったのだ。
サザエさんやちびまる子ちゃんのような「永遠の昭和〇〇年代」では答えられない時代のオーダーに、様々な引き出しを引っ張り出しながら応え続ける作者は凄い。
本巻もAKBのメンバーを「勉強」してしまうらいか、水戸黄門の最終回に大泣きするらいか、深夜アニメを視聴するらいか、そんな『今の』らいか・デイズが見られる。
母のパート先の女子高生なんて新メンバーが加わったりもする。
もちろん出来は変わらず素晴らしい。女子高生が働く姿を見遣る父を描いた「学ぶべき場所」なんて、セリフが二つしかないのに一本のストーリーがしっかり描かれている。
笑わせる処ではちゃんと笑わせる。そりゃもう見事に。
小学校1〜6年生の団体活動は今回ハロウィンだが「見切り品大特価」のセリフに不覚にも声を出して笑ってしまった。
ほろりとさせて、笑わせて、最後の方でらいかに「あー…、よくわかんないけど とりあえず全部ひっくるめて…好き」と言わせてハートを撃ち抜く。
いやもう、見事としか言いようがない。これでは、さり気なく運動音痴も努力で軽減して家事スキルを磨きこんで人間的にも成長しつつ勉学努力も怠らない(よく考えたらほとんど無敵イケメンである)竹田君は永遠にらいかに敵わない。
この心地よい「微成長」を末永く見つめていきたい。らいか・デイズ、最高だ。