テルマエ・ロマン
高橋久美子脱退(加えて福岡晃子のコンバート)の変化がどこに出るかと言えば、まず単純にドラムが変わることと、基本的にベースが不在になるということ。
そしてもうひとつ重要なのが、久美子独特の歌詞の世界観が途絶えてしまうことだ。ベスト盤を聴いても分かるように、これまでシングルや代表曲を数多く担ってきたチャットモンチーの顔とも言える作詞家としての高橋久美子の脱退もまた、チャットモンチーにとって大きな変化だと言える。
だが、敢えてこれを転機と捉えるなら、これまで主にチャットモンチーの影を照らしてきた橋本絵莉子の歌詞の世界が表面化していくのではないかという期待だ。ポップさのなかにギラリと光る牙。ここ数作ではアルバムの重要な核としてブレないスタンスを守り続けてきたが、そのディープな部分が前に出れば、チャットモンチーはさらにロックバンドとして成熟していける気がする。
そしてこの「テルマエ・ロマン」はその期待に添うような快作だ。タイアップの書き下ろしとはいえ、シングル表題でこのセンス、恐れ入る。風呂場での肉体的・精神的な解放を歌いながらも、葛藤の渦中にある心境を覗かせる後ろ向き加減も実にらしい。
間奏の十数えるくだりにしても、湯船に浸かって数えてる慣例から来ているのだろうけど、およそリラックスムードではない。むしろ切迫感のほうが強いくらいだ。そもそも普通「いーち、にーい」って数えると思うか、カウントダウン方式って(笑)
そういうところもいちいち好きだ。
決意表明のような「満月に吠えろ」と共に、新生チャットモンチーの反撃、いや、快進撃が始まった。試練を乗り越え新たな道を切り開いた二人体制での新作アルバム、大いに期待しておこうと思う。
テルマエ・ロマエ IV (ビームコミックス)
これまでのパターンとして、困難に陥った主人公ルシウスが、浴場で溺れると、現在の日本の浴場にタイムスリップする
そしてそこで得た浴場の知識をもとにローマで新しい浴場を作る短編構成でしたが
今回の作品は、シリーズ初の長編であり、作品の評価は分かれるところでしょう。
皇帝の後継者と目されていたアエリウスが、病で倒れた。
そのことで新たな難問にあたったルシウスは、浴場で日本にタイムスリップ
ここまではこれまでと一緒ですが、今度はそこで彼がディアナと見間違う美しい女性に出会います
そしてローマに戻ろうとしても戻れぬまま、ルシウスがタイムスリップした先の温泉旅館に留まる事になってしまった。
ルシウスがディアナと見間違った女性は、小達さつき
古代ローマ帝国を研究する歴史学者であり、日舞の名手でその旅館の芸者も勤めている女性だった。
当然のようにローマ帝国の言葉、ラテン語を話すことが出来て、ルシウスと意思の交流を行いました。
あらすじはこんなところです。三巻の最後の回で、ルシウスがこれまでと違い。
日本の浴場の模倣ではなく、独自の作品を作ったあたりで、作品の流れが変わったと感じましたから
そろそろラテン語が話せる日本人が現れるとかして、ルシウスに現代の日本を紹介するのではないかとは思っていましたから
予想通りの展開と言えますが。
長編になったところを見ると、いままでとは違う流れを感じます。
浴場以外の現代の日本の文化に触れる古代ローマ人であるルシウスが、これをどう感じるかは楽しく読めました。
もう一つ、ラテン語を現在話せる人は、カトリックの神職とか、学者のように何かの理由でラテン語を学んだ人たちですから
ルシウスと出会うラテン語を話せる人間は、修道士とか神父さんになるのではないかと思っていましたが
美人の歴史学者だったのは、ちょっと意外でしたね
映画 テルマエ・ロマエ ムジカ・コレクティオン
disk1はオリジナルスコア30分程度でやや不消化なスコアなれど、ベン ハー序曲、ガレー船を漕ぐ奴隷のテーマ、キングオブキングス序曲、グラディエーター的ハンスジマー現代感覚あたりのテイスト満載。ちょっと過激に進化し過ぎの近年ハリウッド史劇より往年の響きを感じる和製史劇スコアとしてはうれしい限り。disk2のラッセル ワトソンは、この作品の為の新録音のようだ(録音の一ヶ月前にdavid foster and friendsで同曲を歌っていたので親近感増)が、あとの既存作品はnaxos音源が多く聴くもイマイチか。特にメインで使われるアイーダをなぜnaxosのハイライツ定価890円?版を使うのか?版権や使用料の問題はあるだろが、独立したコンピアルバムとしてはランクダウンは否めず。でもアイーダってローマでなくエジプトを謳ってるんじゃなかったけかな〜。まぁ、のだめ感覚で良しとしても、CDとしても値段は高い気も。
テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)
話の内容と画力のギャップがいい具合。
コレ、普通の面白マンガみたいな絵だったら、普通に面白いマンガで終わってたと思う。
だけど、この画力!
それに加えて、お風呂というものに異常な程こだわった内容w
美大出身ですねワカリマスb…というような正統派な画力に加えて、偏りの強いこだわりな内容…この、正常と異常のミスマッチがいい具合に融合している。
面白いんじゃない?w