Dr. Death: An Alex Delaware Novel (Alex Delaware Novels)
不治の病の患者を次々安楽死させることで悪名高いDr. Deathと呼ばれる医者が殺される。犯人は、Dr. Deathに恨みを抱く患者の家族か、Dr. Deathの知り合いか?怪しげな人物が次々現れ、ストーリーは二転三転する。家族関係が事件の根底にあるというのは、Kellermanのお得意のパターンだが、今回はいつものように遠い過去の出来事が現在の事件に関係してくるわけではない。その替り、家族内の人間関係、家族と家族の間の人間関係が複雑に絡まり合い、さらにそこに別の人間が関わってくるため、ストーリーは複雑でなかなか先が読めず、最後の最後でようやくすべてがすっきり収まる。最近のKellermanは少々マンネリ気味であったが、この作品はストーリー展開の複雑さ、意外さとともに、人間心理の弱さ、醜さの描写という点でも優れており、彼の初期の作品を思い起こさせる久々の秀作であると言えよう。Kellermanファンにはもちろんのこと、はじめて彼の作品を読もうという人にもお勧めである。英語の難しさは中程度。
Sound of Perseve
アメリカのテクニカルデスメタルバンド、デスの7th。1998/2005作
夭逝した鬼才、チャック・シュルディナーの遺作となったアルバムのDVD付きエディション。
サウンドは、歴史的傑作である5th「Individual Thought Patterns」と、6th「Symbolic」
からの流れを受け継いだ、やはりプログレッシブな味わいのある濃密なもので、
独特のリフワークからなるテクニカルな切り返しと変則リズムに圧倒される。
シュルディナーの鬼気せまるようなダミ声ヴォーカルも、いよいよ気持ち悪く、
バンドとしての今後のさらなる深化を思わせるだけに、彼の死は本当に残念である。
デスメタルというよりは、プログレッシブ・スラッシュというべき芸術性にあふれている。
DVDには1998年のライブ映像を収録。画質は上等のブートレグ程度だが、ファンは必見。
Alone in His Teacher's House (A Stepping Stone Book(TM))
先生のイヌの世話を任されたマービン。
思わぬ事態に遭遇し、彼は懸命に対処するのですが・・・
同級生達の心無い言葉にさらされる場面には
「そーそー、小学生ってこーだよねぇ〜」
とうなずいたり、
家族とのほのぼのしたシーンに暖かい気持ちにになれたり、
ラスト近くの先生との会話のシーンには涙ぐんだり。
このシリーズは最高ですね。
闇の天使 (Hayakawa Novels)
主人公の格好良さや、敵対者とのかけ引きなど十分楽しめますが、英国首相が最も頼りにする組織に主人公以外のエージェントがいなかったり、敵対者のメンバーが公のパーティーで話をしているところを見られるなど、推理を楽しむにしては、筋書きがいい加減過ぎますし、アクション小説にしては、大したアクションやはらはらドキドキがあまりありません。
あまり気を入れて書かれた小説とは思えません。