コラソン サッカー魂(5) (ヤングマガジンコミックス)
W杯にかける思いを描いた熱いサッカーマンガ。
W杯出場を賭けた戦いの重さがひしひしと伝わってきます。
脇役の登場人物がやや類型化している感じはありますが、型破りな主人公の魅力は捨てがたい。
サッカーというスポーツが、決してスマートなのではなく、泥臭い駆け引きや反則スレスレの
テクニックなども含めて成立していることも上手に描いています。
相手チームだけでなく、主人公も同様にアンフェアな部分がある。
そしてその主人公もW杯のプレッシャーを感じるときが…。
新刊が出るたび、既刊から読みなおしてしまう面白さがあります。
コラソン サッカー魂(1) (ヤングマガジンコミックス)
そう言わんばかりの主人公戌井の言動が魅力的です。
どんな手を使っても常にゴールを狙う姿勢、ワンマンプレーと言われながらも結果を出すところは、
見方を変えれば生粋のストライカーとも言えます。
実際こんな選手が居たら嫌われる半面、一部から大きな支持を得られるでしょうね。
サッカー漫画が好きな方は一度目を通してみては如何でしょうか?
コラソン サッカー魂(2) (ヤングマガジンコミックス)
対サウジアラビア戦の続き。
ピッチ内外に敵を作りながらも自己を主張する戌井凌駕が良いです。
ただ批判するだけだったメンバーがちょっとずつ良い意味で
影響されていくのも頼もしい。
2巻を読み終わり早くも3巻が待ち遠しいです。
勝利の朝 (小学館文庫)
塀内夏子さんの作品のファンですが、この作品を知ったのは、弁護士の吉峯康博さんのブログでの紹介でした。同ブログによると、本作は1993年初版であり出版当時は大手新聞社に取り上げられるなど話題を呼んだものの、現在絶版となっており中古市場でしか入手できず、少年事件の冤罪を無くすため、是非復刊させたいとのこと。最近の冤罪事件に係る世間での採り上げ方を見るにつけ、塀内さんが当時どの様に作品化していたのか興味が湧き、購入して読んでみました。
先ず、塀内さんらしく、相当資料を集めるだけではなく、恐らくは様々な方面への取材等をして自分なりに練り上げ作品としたのだろう、ということは分かります。「冤罪」が発生する状況や、犯人に仕立てられる人の心象風景等は極めて整理されて、読み手にストレートに伝わって来ます。吉峯弁護士が「冤罪を知らない方々への教材としたい」という想いも、理解できます。良作だと思いますので、こうしたテーマに関心のある方は一読をお勧めします。
しかしながら、現在においては、「冤罪」とは、警察や検察の無理筋のみに起因するものでは無い、ということは、最近の障害者郵便悪用事件等での現状を見れば明らかではないでしょうか。例えば、何故上記のような無理筋が出来上がるのかと言えば、起訴事件の99%超が有罪となる司法の機能不全、その土壌の基礎となっていると思料される法曹界・司法界・行政(賢察)界の一体化、等、日本の司法制度そのものが原因であることがそろそろ明らかになって来ていると思います。この作品が出版された17年前においては、ここまでの整理が出来ていなかったので止むを得ないことではありますが、現在においてはやや事象と捉え方が一面的に過ぎる印象が拭えません。
塀内さんの意欲作、力作ではありますが、購入される方はその辺を少し考慮し割り引いた評価をすべきかと考えます。
コラソン サッカー魂(6) (ヤングマガジンコミックス)
オーストラリア戦を引き分けもう後がない日本
そんな中、戌井のインタビュー記事でチームに不協和音が生まれる。
今回は紅白戦からイラン戦序盤が収録されています。
それにしても、毎度戌井にぞんざいな扱いを受けてもフォローし続ける崎谷と青野は本当に健気だな(笑)
本編も面白いですが個人的に気になったのは、巻末の「西村雄一国際主審への取材記」
審判から見たサッカーというのは、テレビなどではなかなか知れないものなので興味深いものばかりでした。
印象深いのは、南アW杯決勝審判団に送られたメダルを堀内先生に見せての西村氏の言葉
「自分としては選手がメダルを日本へ持って来てくれる方がいい」(※レフェリーは自国が出場する試合の笛を吹けない)
本当に近い将来そんな日が来てくれる事を願いたいです。