Geogaddi [解説・ボーナストラック付き国内盤] (BRC51)
どのアーティストもセカンドアルバムは鬼門となることが多く、一般的に難解な作品になるパターンが見受けられますが、本作もファーストと比べるとサイケデリック色がさらに強まり、質は高いのだが、ややとっつき難い印象を与える。印象的な曲も多いが、アルバム通して聴くと重いんですよね、このセカンドがとりわけ・・・。
Ambivalence Avenue (WARPCD177)
最近WARPはかなり面白いことになっていて、
多種多様なニューカマーが集ってきています。
その中でも個人的にお薦めなのがこのbibio。
この最新作は、フォークの要素を内包したエレクトロニカ、
そしてヒップホップのビートを兼ね備えた作品です。
アマゾンの内容紹介にもあるように、ギターの温かい音色や
オルゴールのメロディなどが、幼少期の幸福な時間を想起させます。
また同時に、そういった日々に戻れないという思いも感じさせます。
ビートが洗練されていて都会的なものなので、そうした感傷的な部分が
より増幅されているのが好み。ハイライトは2、4、8。
レビュータイトルにコンパクトと書いているのは、
このアルバムの構成が非常に優れていると感じたからです。
よくCDを聴いていて「これもっと聴きたいのに」「この部分長すぎ」
と感じることがあります。
でもこの作品では全曲”然るべき長さ・タイミング”で流れていました。
余分な贅肉を削ぎ落とした洗練があり、中弛み無く聴けます。
一曲ごとの質に加えてトータルな構成力もある、有望なアーティストだと思います。
Music Has The Right To Children [解説付き・国内盤]
太くゆったりとしたヒップ・ホップのリズムの上にアナログ・シンセサイザーの不思議に懐かしい音色が乗り,様々な声のサンプリングが散りばめられている。言ってしまえばこれだけなのに彼らの音楽はとても幻想的で美しくて情感があると思います。あまりテクノ・エレクトロニカには詳しくないのですが、このB.O.C.に似ているといって奨められたアーティストを聴いてみても(気に入る、気に入らないは別にして)あんまり似てないよなーと思うことがしばしばあります。他とは一線を画すというんでしょうか。
この中では10."roygbiv", 12."aquarius", 18."happy cycling"がとくにおすすめですが、アルバムの統一感が高いので、個々の曲を切り出して評価するのはあまり意味がないかも。