ムー一族 DVD-BOX 1
この作品は、”真剣な大人の遊び”です。
一歩間違えば全体が崩壊し、最終回を迎えねばならない、超絶的なバランス感覚が”水曜劇場”の有能なスタッフにはあった、ということです。TBSの鴨下信一氏は水曜劇場を”祭り”と表現し、その回を誰が演出したのか分からないほどだと表現しました。その狂騒は、TBS全社が社運を賭けて”遊んで”いるという鬼気迫る試みの連発で、人情ドラマにギャグを交える程度なら「時間ですよ」で散々やった、心にしみる静寂のドラマなら「寺内貫太郎一家」で結実を見た、普通のドラマを観たければ他に幾らでもある・・・「ムー一族」の取るべき道は一つだろう。過激な実験の突き詰め・・・スタッフに迷いはなかったはずです。
元TBSの有能な演出家達が独立プロを率いていたあの頃、局に残った久世光彦氏をはじめ大山勝美氏など、名物プロデューサー・ディレクターの、これはマニフェスト(宣言)だったと私は信じて疑いません!!
ムー一族 DVD-BOX 2
こんなに嬉しいリリース情報は久しぶりです。
お約束てんこ盛りのコメディドラマでありながら、シリアスなバックストーリー、時に不条理でシュールな場面転換など、実に型破りで面白いドラマでした。
発売がホントに楽しみです。
ムー DVD-BOX 2
これで「ムー一族」と合わせて「ムー」シリーズがDVDにてコンプリート出来ます。
このように過去のドラマなどのコンテンツがパッケージ化されるのは良いですね。著作権等の処理が困難なケースもあるようですが、ぜひこれからも積極的にリリースしていただきたいです。
テコちゃんの時間-久世光彦との日々
「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「ムー」など名作ドラマを数多く生み出し、小説家としても活躍した久世光彦さん。これは彼の妻、朋子さんによる二人の三十年の愛情生活の回顧録です。
あるときは師弟のような、あるときは親子(父と娘、あるいは息子と母)のような、またあるときは同志のような愛情と信頼で結ばれた二人の歴史が、朋子さんの香り高い上質な文章で綴られています。
とても厳しい演出家として知られる久世さんですが、ここで語られるのは幼き日に母親から呼ばれていたという<テコちゃん=【テ】ルヒ【コ】ちゃん>としての姿。障子張りやおせち料理、お誕生日会など懐かしくて温かなエピソードと共に<テコちゃん>の可愛らしい一面が浮かび上がります。
ドラマや小説、エッセイで古き良き昭和を甦らせる名手であった久世さんは、自身の家庭でも昭和の暮らしを大切にされていました。それを実現させていく朋子さんの優しさと真面目さの中には久世さんへの愛と尊敬が溢れています。
体調が優れなかったという晩年の様子や亡くなる前日のエピソードは胸に迫ります。
ああ、もう本当に久世さんはいなくなってしまったんですね。
TBS 水曜劇場の時間ですよ
70年放送の『時間ですよ』から81年の『茜さんのお弁当』まで、
TBSテレビ・水曜劇場の主題歌&挿入歌を時系列的に網羅した
コンピレーション・アルバム。
天地真理、浅田美代子、堺正章、郷ひろみ、さだまさしらの往年の
ヒット曲もずらりと並んでいるので、昭和歌謡史のベスト盤という赴きもある。
この水曜劇場のシリーズは、出演者自らが劇中で披露する歌が、
レコード発売されてヒットするというタイアップのはしりとも言え、
こうして集められた歌の数々を見ると、いかにテレビドラマから多くの
ヒット曲が生まれたかを思い知らされる。
『ムー一族』でのレギュラーだった司美穂が歌った「しのび逢いのテーマ」
だけがオミットされたのが残念だが(当時発売されたシングル盤では
こちらがA面扱いだったが劇中ではボーカル版が未使用だったため
実際に使われたインスト版のみを優先したのだろう)、それでも充分に
70年代へのタイムスリップが楽しめる、好企画のアルバムだ。