片思いレシピ (創元推理文庫)
他作品読んでません。シリーズ物をいきなり途中単品で読むと、「当然分かってる設定」が引っ掛かってイラついたりするもんですが、本書は特に気になる事なくフツーに楽しめました。スピンオフ物だからかな?
殺人事件にしてはノリが軽すぎ、被害者「どうでもよし」扱いに、あんまりじゃない?苦笑…と思いつつ、さくさくと読めました。
殺人事件にしてはノリが軽すぎ、被害者「どうでもよし」扱いに、あんまりじゃない?苦笑…と思いつつ、さくさくと読めました。
金魚鉢の夏
生活保護費の支給を廃止して、保護対象者を施設に集めて共同生活をさせる。
犯罪者の生活費を税金でまかなうのはおかしいので、受刑者には刑務所での費用を負担させ、払えない場合は全く人権が保障されない場所に島流しする。
犯罪被害者を社会的地位に従ってランク付けし、ランクによって警察の捜査の力の入れ方を変える。
この物語では、ときおり話題にのぼる上記のような制度が実現した未来社会を描いています。
生活保護費・刑務所の費用・警察の捜査費用が削減されたことで、確かに日本経済は潤います。
しかし、他に何か悪い影響はないのか、人々はどのように変わってしまうのかが、この作品のテーマとなっています。
なので「元刑事のおじいちゃんとその孫が事件を解決する推理小説」だと期待して読むと、がっかりしてしまうと思います。
実際、結末はうやむやで、探偵役の2人もそれほど活躍しません。
しかし、この曖昧ですっきりしない結末こそが「無気力で事なかれ主義で、都合の悪いことを隠蔽し、表面だけは平和に見える社会」を表しているのではないかと、私は思いました。
みんなが良いと考えている制度を導入しても、そう簡単には良い社会にはならない。
作品をとおして、作者はそう言いたかったのではないかと私は思っています。
犯罪者の生活費を税金でまかなうのはおかしいので、受刑者には刑務所での費用を負担させ、払えない場合は全く人権が保障されない場所に島流しする。
犯罪被害者を社会的地位に従ってランク付けし、ランクによって警察の捜査の力の入れ方を変える。
この物語では、ときおり話題にのぼる上記のような制度が実現した未来社会を描いています。
生活保護費・刑務所の費用・警察の捜査費用が削減されたことで、確かに日本経済は潤います。
しかし、他に何か悪い影響はないのか、人々はどのように変わってしまうのかが、この作品のテーマとなっています。
なので「元刑事のおじいちゃんとその孫が事件を解決する推理小説」だと期待して読むと、がっかりしてしまうと思います。
実際、結末はうやむやで、探偵役の2人もそれほど活躍しません。
しかし、この曖昧ですっきりしない結末こそが「無気力で事なかれ主義で、都合の悪いことを隠蔽し、表面だけは平和に見える社会」を表しているのではないかと、私は思いました。
みんなが良いと考えている制度を導入しても、そう簡単には良い社会にはならない。
作品をとおして、作者はそう言いたかったのではないかと私は思っています。