原作と同じなのは
タイトルのロゴと主人公の名前だけの、中身が全く異なる映画として高名な作品。
千葉真一主演のわりには、アクションの要素も少なめ。
個性的な人物が入り乱れる猥雑な群像劇という、いかにも深作欣二監督作品らしいテイストになった、というか、監督が強引に自分の土俵で相撲をとった作品。
「原作と全く違うストーリー」で「主人公が同姓同名の別人みたい」という点が気にならない人には、面白く観られると思う。
原作のファン向けではなく、
千葉真一ファンや、深作テイストが好きな人向けとして推奨できる。
☆人々は警視庁特犯課のアウトロー刑事、加納錠治に、あの黒い獰猛で精悍な大型
犬「ドーベルマン」の称号を与える。黒革ずくめの姿で愛銃・マグナム44を携え、信念のもとに捜査を進める加納刑事の非情なやり方は、時に「行き過ぎ」と非難される。しかしその裏には狙った凶悪犯を決して逃さぬ執念、社会に潜む悪と差別に悠然と挑戦する情熱、そして罪なき者に向ける優しさがある。加納の行動を理解する唯一の人物である上司の西谷、同僚のゲタバキ刑事こと宮武らと凶悪事件に挑む、加納の格好よさと全編を貫く過激なアクション・シーンにシビれた。筆者は映画『ダーティハリー』とこの漫画でマグナム44を知り、加納に男の流儀を学び、壮絶なラストに嗚咽したのである。そんな殉職したはずのドーベルマン刑事=(加納錠治)が突如として復活した!。原案は武論尊になっているが、本作は完全に平松伸二お得意のパラレルワールドである。つまり武論尊の原作を離れた、完全なオリジナル作品といえる。すっかり道徳の廃れた21世紀の現代を予見したような設定だった昭和版のテイストを生かしつつ、エンターテイメント性が失われていないのはさすが。異常凶悪な犯罪事件と腐敗堕落が氾濫する秩序が崩壊寸前の歪んだ今の日本にドーベルマン刑事は必要なのだ!。彼の復活は心から歓迎したい。たとえそれが漫画だけの世界であろうと。そしてドーベルマン刑事で描かれていた事件や犯罪は決して絵空事ではなかった!。なお本作は『週刊少年ジャンプ』ではなく、無頼?の娯楽漫画雑誌『週刊漫画ゴラク』で不定期連載されている模様だが、コレからどういうふうに物語が展開されていくか、正直なところ未知数な心配事もあるが、この漫画のテーマはズバリ〈勧善懲悪〉。平松漫画に期待されていることは、世の中のためにならないド外道な悪漢どもを次々にブチ殺していく流血とバイオレンスの相反する要素の連鎖とデフォルメに尽きる!。とにかく『新ドーベルマン刑事』の活躍ぶりを固唾を飲んで見守っていきたいと思う。彼の伝説は始まったばかりだ!★。
この作品を担当した鏑木創氏は映画音楽が多く
そちらは結構サントラが発売されているが
ドラマのサントラ化は今回が初めてではないかと思う。
鏑木氏のファンキーで
ジャズぽく独特のシンセが耳に残る劇伴は
やはり有名な江戸川乱歩の美女シリーズに通じると思う。
特にTrack18のM-17T1は聞いていて変になりそうな音楽である
ただもともと劇伴の数か少なくCDをフルに使えてないのが残念。
ただ江戸川乱歩の美女シリーズを聞いて
他の鏑木氏の音楽が聴きたいと思ったら買いだと思う。