実在した陶芸家・板谷波山が陶芸をはじめてから世間に認められはじめるまでを描いた作品。ちなみに波山は陶芸家としてはじめて文化勲章を受章した人物(人間国宝は推挙されたものの辞退)。
伝記映画というとどうしてもナレーションに頼ってしまうものだが、この作品ではナレーションはない。セリフもかなり少なく(数少ないセリフは印象的なものが多い)、音楽も控えめ。映像で語る、つまりちゃんと「映画」している。
映画製作にあたってはかなり考証も重ねているだろうし、セットも本格的に組んでる(窯も作ってると思われる)のだが、そういった手をかけた部分をさりげなくみせている。公式ページレビューで佐藤忠男氏も書いているが、まるで波山の作品のような気品だ。静謐さと同時に、内に熱いものも感じる。
感情を盛り上げて泣かせるタイプの映画ではないが、じっくりとみせる良作。
オープニングに野性の風(歌:今井美樹)が流れるシーンはとても心地良く、
ハリウッド映画を感じさせるカメラワークは良かった。
ところが本編が進むにつれ、いきなり生徒全員が踊り出したり、
モデルアニメーションを駆使した特撮など、おかしなシーンの連続。
妙な味わいのある作品へと変貌。
奇想天外なストーリー展開で見る者を唖然とさせた。
監督 大林宣彦
出演 林泰文 浅野愛子 南果歩 トロイ・ドナヒュー 尾身としのり 三田佳子 小林捻侍
雑誌に連載されたものをまとめたという本書、ちょうど著者を、夫の
渡辺謙の『インセプション』のプロモーションがあり、テレビでよく見かけた。著者には、元夫の書いた『五女夏音』のイメージが強かったが、確かにそれを裏づけるようにエネルギッシュに生きている人だ。また写真が満載で楽しめる。
中心となるのは、ロスでの暮らし(語学学校の話など面白いが、他国の人は拙い著者の
英語に協力的だったのに、長くロスに在住しているにも関わらず語学学校に来ているという女性が、著者の
英語を鼻であしらうという態度は読んでいても気持ちが萎えた)、夫、息子、著者、と(途中で亡くなる
犬のハリー)の新たな家族の生活だ。
ロスは車がないと何もできないというのは確かに思う。旅行で行ったときも、電車のないところはバスでと考えたが、郊外に向かうせいか、時刻通りには全然来ないし、えらく時間がかかるので結局はタクシーを使ったほどだ。でもロスだけではなく、学生時代に留学していた友人の大学でも、買い物も車がないとままならないので、車を持っていた韓国人留学生に便乗させてもらった。
そうした生活で自然と新たな家族の絆が強まる様子がよく分かるし、息子がどんどん成長していく様子もよく分かる。またアメリカにいるからこそ、日本の良さがよく分かるというところや、夫とともに仕事を頑張り、時には3人がバラバラの生活をすることがあっても何とかやっていけた背景には、ロスの友人、知人の協力があったことをはじめ、様々な人たちに支えられていて、それに感謝し、そのことと著者の母の言葉が重なってくる。
また本書では著者のルーツの韓国のこともところどころに挟まれている。また、『五女夏音』での家族の絆の強さが辻仁成は嫌だったのだろうけれど、本書でも著者とお姉さんの助け合いが多々みられ、一族の仲の良さもうかがえた。
女優・南果歩さん唯一の写真集(1991年の作品)です。
最近は俳優
渡辺謙夫人として知られることが多くなったが、20歳の映画『伽椰子のために』でのデビュー以来、常に個性的で存在感のある役柄を演じ続けてきた彼女の27歳当時の女優(表現者)としての芸術系作品。
そんな彼女であれば、ありきたりではない表現も期待したのだが・・・露出という意味では
ランジェリー姿とブラを外した背中のみなので、T162cmでスリーサイズB80・W60・H88(時期は不明)の肢体に対する期待は満たされません。
背中に残るブラの痕、シャワールームでびしょ濡れになった白のワンピース姿に、そこはかとないエロスが感じられますが、もっと思い切ったカットが無いものか〜と残念に思います。