蒼きバント職人うさちゃんのお宝時事評論

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SP-2
SP-2とは、音楽家平沢進氏が1994年から遭遇した、タイのGID(Gender Identity Disorder)たちのことを、被写体にし写真に撮り、テクストで解説された本である。と、同時に、平沢進氏が命名したその存在を指す言葉である。

SP-2たちは、最初、男性という性に生まれ、そして生きゆくなかで、自分たちの本当の性に気づき、その本質に沿って生きるべく、真剣に努力していることを、教えられる。

美しい人というのは、最初から美しいのではなく、限りない困難のなかで、それでも自分を卑しめることなく、美しくたらんと努力し磨かれ、光放つものだと、教えられる。

ただし、的をはずして努力することは滑稽である。真剣になりすぎ自身を追いつめることなく、真剣でありつつも常に問題に対し楽しむ態度も必要であることを、教えられる。

本書のなかで、わたしが一番好きなエピソードはひとりのSP-2、Helenのエピソードだ。

そのエピソードの冒頭には次のようなHelenの言葉がある。

" 私は容姿端麗ではありません。

あなたが今まで美しいSP-2の女性美を撮ってきたのなら、

私を使って人間を撮ってください。化粧もしません。さあ、始めましょう。−Helen(ヘレン)"

そして、エピソードのタイトルは「Helenの方法」である。

Helenのポリシーは、「理解を得るために、その時できる最善のことをする」「同時にショーのプロとして、楽しんでいない客が居れば、その時できる最善のことをして楽しんでもらう」というふたつであり、そのポリシーが遺憾なく発揮された、ある夜の出来事、平沢進氏が現場に居合わせたひとつの出来事、が、紹介されている。

ごく簡単に書くと、SP-2を差別する白人がツアーでショーを観劇にきて、SP-2のことをその場でひどく非難するのだ。それをステージ上の Helenは見逃さない。堂々と舞台を降りて、その白人のもとにゆき、その人めがけて、白熱の歌唱をくりひろげ、すっかり魅了させるのだ。

ことの顛末の詳細はぜひ本書を読んでほしい。そして、Helenの力強く優しいまなざしをポートレイトで眺めてほしい。

このエピソードは、本当に大好きだ。と、同時に、自分を省みるよい機会を与えられる。

意志をもって、"何者"かになるにはどうしたらよいのか。たとえば、母であるわたし。たとえばキリスト者であるわたし。たとえば人間であるわたし。

人は本質的なところで何らかの性質をもって生まれてついてはいるのだが、人はその立場に置かれたときに、意志をもってはじめて、その性質の何者かになるのだ。たとえば、母になる。たとえばキリスト者になる。たとえば人間になる。

「最善を尽くして」。

本書のなかで繰り返しあらわれるこの言葉。SP-2たちは、不理解のなかで、困難のなかで、けれど、最善を尽くして、良き何者か、すなわち良きSP-2になろうとしている。

わたしは、最善を尽くしているか?そして、その"何者"かとして生きることを幸せに思っているか?"何者"かとしてより良く生きることを意志を持って選択し続けているか?日常の中で、人生の中で。そんな問を投げかけられる。

そして、同時に、その問に対して、優美なワイ、"Yes"であり"はい"であり、存在を肯定する、優美なワイをもって、応答したい。という希望を与えられるのだ。

ユリイカ2008年12月臨時増刊号 総特集=初音ミク ネットに舞い降りた天使
ボーカロイドで、一世を風靡した「初音ミク」を語ろうという企画。
文芸評論誌という性格上、最新の情報を掲載しているわけではない。
歌が下手な人でも、歌を製作することができるようにしてくれる道具としての評価はそれほど深くない。

初音ミクを利用して、なんらかの制作している人たちには、何も新しい情報がないように感じるかもしれない。
また、もってまわったような表現にいらいらすることもあるかもしれない。
社会現象としての初音ミクを語るのではなく、文芸活動としての初音ミクに焦点をあてるのが「ユリイカ」だからだろう。

初音ミクを知らない人向けの本だと思うとよいかもしれない。初音ミクの曲だけ聴いていた人にも、役立つ情報はある。
参考になるひとが読むとよい。

「がくっぽいど」 を聞かず嫌いでしたが、この本で「がくと」の話もあり、すこし親近感が沸きました。

ジョン・レノン・トリビュート~カム・トゥゲザー [DVD]
2001年に行われたジョン・レノンのトリビュート・コンサートのテレビ映像です。
10月2日に行われたのですが、その直前「9.11」が発生し、犠牲者への追悼チャリティ・コンサートとなったようです。
ポール・マッカートニーが提唱した「ザ・コンサート・フォー・ニューヨーク・シティ [DVD]」が10月20日ですから、その少し前に行われています。

「9.11」というテロに対して、ジョンの歌でもう一度「愛と平和」を訴えかけようとしています。
確かに、ジョンは誰も気づかない頃からずっと「LOVE&PEACE」を語り続けています。
今でもリンゴは挨拶するように右手にVサインで「ピース」と微笑んでいる様子を見ます。
1960年代に世界中にこのスタイルは広がっていきました。
ジョンは、ビートルズの終わり頃から、抑え切れない魂を刻むようなメッセージや思想を、詩人が詩に詠むように、ロックンロールで世界に発信しました。
「平和を我等に」「ハッピー・クリスマス」「イマジン」「パワートゥザピープル」「インスタント・カーマ」「マインド・ゲームス」などは、単なる音楽ではなく、ジョン&ヨーコのメッセージです。
「愛と平和」「一人ひとりが願えば平和になる」「国境のないことを想像しよう」
政治や軍事に対して、歌で人々の心に平和の灯を燈そうとした主張は、滑稽で道化のように見えることもしばしばでしたし、世の中に影響を与えているのかどうかも手ごたえすら危ぶまれるものでした。

このコンサートを見ていて、ジョンはやはり思想家であったのだと思いました。
数十年も前の彼の主張がようやく理解できる、時代がジョンに追いついたと感じました。
常に戦争を繰り返す人類に対して、決定的なメッセージを発しているのに、夢想家としてしか見向きもしなかった世の中が彼の主張を聞き入れようとしているように思われました。

ジョンの作品がアレンジされて披露されていきます。なかなか味のある作品が多く、中でもシンディ・ローパーの「ストロベリー・フィールズ」は良かったですね。曲を紹介するのは、映画のビッグスターです。MCのケビン・スペイシーは、最後に自ら「マインドゲームス」を熱唱します。

見終わって、ジョンの曲の歌詞をもう一度読み直したくなりました。

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