漢字の修得はイニシャルコストが高くつくが、ランニングコストは安くつく、と著者は説く。 憶えるのは大変だが、一旦憶えてしまえば、あとは高度な知識や教養が簡単に手に 入るというわけだ。 しかし韓国ではハングル至上主義者と漢字混用論者の相克が続いているらしい。
《ハングル至上主義者の主張》 ■ 韓国語の表記に適している ■ 文字の機械化に適している ■ 漢字の混用は歴史の歯車を元に戻すようなものだ
《漢字混用論者の主張》 ■ 韓国語の70%を占める漢字語を排斥した結果、相当数の教養欠落者を出した
豊田有恒氏といえばSF作家時代から博識で知られていたと記憶しているが、それ故 であろうか、話が時々脱線して面白い。 作家C.W.二コル氏がファーストネームで呼ばれるのを嫌ったのは何故か? 日本軍のスローガン『見敵必墜』を見た中国軍パイロットは何故笑ったか? などなど、飽きさせない。
本書からは日本のお国自慢といった印象はそれほど受けなかった。もし嫌韓とか日本 マンセー的なカタルシスを求めるのなら他の本を探した方がよい。 とは言っても、竹島問題に関して、逆上した韓国人から『しんでしまえ』とまで言われた 豊田氏である。行き過ぎた自民族中心主義から未だ卒業できない韓国に対して、本書 でも相応の批判がなされてはいる。 しかしそれは冷静な筆致によるものであり、節度を弁えたものと言える。
豊田氏が韓国へ足繁く通うようになった1970年代といえば、日本の統治時代を知る人 たちがまだまだ現役だった頃で、テレビのインタビューなどでも多くの韓国人が日本語 を話していたように思う。やがて反日教育世代が韓国社会の中枢を占めるようになり、 彼らの度を超えた反日・侮日を見るにつけ、古くからの韓国通である著者は一体どの ように感じているだろうか。
読み返す内、『さすが元漢字国』などと韓国を持ち上げている文章が何箇所かあること に気がついた。老教授の厳しくも暖かな視線を感じたような気がした。
新聞・テレビの朝鮮半島報道に疑問を持ったことは無いだろうか? その疑問にこたえてくれる書籍である。
序章でマスコミの欺瞞や韓国の資本主義が同族経営であることを説明している。 内容は朝鮮半島史を駆け足で説明しているが新書で2千年ほどを記述するのは無理があろう。 ポイントを列記した感があるが、朝鮮半島報道を冷静に受け取る機会になると思う。
著者の豊田有恒さんは、1938年群馬県生まれ、私たちの世代にとってはSF作家というイメージが強いですが、 古代史ものにも優れた作品があり、そして、近年はノン・フィクション作品にも力を入れておられるようです。 また、ハングル語にも強く、韓国にも多くの友人を持ち、韓国人ウォッチャーの第一人者でもあります。 本書もそうした流れの中で生まれた1冊と考えられます。 よく御存じのように昨今の日韓関係は、かってないほど悪化しています。 その原因のひとつが、韓国大統領の反日姿勢にあることは言うまでもありません。 豊田さんによると、今韓国は軍国主義化しつつあるそうで、韓国の仮想敵国が、北朝鮮から日本へと変わっているそうです。 これは、日本にとって看過できない非常に重大な問題です。 そして、韓国に対する好意や善意は、日本に疾しさがあるからそういう行動をとるのだろう、と受け取られています。 それは、ソウルの地下鉄第1号線の工事が、多大な日本の援助で出来たにもかかわらず、 その開通式には、御礼の一言さえもなかったことからも明らかです。 また、韓国人は、一般的には論理的と考えられていますが、実は自己主張のみ強く、まともな議論ができないことも少なくありません。 このようなことは、私も実際体験しています。 これは、朝鮮が、2000年間の間に960回も外敵の侵入を受けたことが、大きく影響しているようです。 また、、韓国人と付き合うと、いったん顔見知りになると、すっかり打ち解けた態度に変わるようです。 しかし、日本が戦争に負けた時、昨日まで親しくしていた朝鮮人が、手のひらを返したように態度を変え、 日本人を石もて追い払ったのも事実です(台湾、満州ではこんなにひどくなかったそうです)。決して心を許してはいけません!! 豊田さんは、韓国人ウォッチャーの第一人者として、韓国が現在のように成長したのは、「誰のおかげだ」とはっきり言うべきだし、 ねつ造による反日が過熱した際には、しかるべき報復処置をとるべきだと提言しています。 とにかく私たちに日本人は、韓国とのし烈な情報戦を戦っている最中だという自覚を持たなければ、この戦いに勝つことはできません!!
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