金曜日の夕方、仕事帰りに立ち寄った書店の平積みコーナー。ふとお馴染みの絵が目に入る。天才・荒木比呂彦の帯イラストだ。『ジャイロ・ツェッペリのモデル』だって??
なるほど、ヤラれた。そう言われたら読まないわけには行かない。
まぁ、つまらない本かもしれないけど、知識として知っておきたいし…。
というわけで本を片手にスターバックスへ。いつものようにトールサイズを注文し、本を開く…。
で、結局2時間読みっぱなし。
意外にも、と言うのは申し訳ないが、非常に面白かった。
シャルル・アンリ・サンソンはもちろん鉄球は使わないし、西洋風居合いの達人でもない。
大事な場面で失敗するし、冤罪者の救済に立ち上がる正義の味方でもない。
だが、彼は当時の人々が思ったような、猟奇趣味の不吉な怪人ではない。常に『正しいのは何か?自分がやろうとしているのはどういう事か?』と自問を続け、与えられた使命に対して、そして人間の死に対して最大限の敬意をもって接する真摯な男だ。
毎日のように人の命を絶つにも拘らず、それに慣れることもなく、罪の意識に苛まれ、神に救いを求める繊細な人間。多くの命がいとも簡単に奪われていく時代に、『こんな事は間違っている』と心の中で叫びながら、実際に手を下さねばならなかった不幸な男。
ルイ16世がそうだった様に、彼もまた激動の時代に生まれ、数奇な運命に翻弄された数多くの人間の一人だったのだろう。
フランス革命の裏面史は数多いが、ともすると退屈になりがちだ。最後まで読者を放さないのは作者の力量によるところが大きいと考える。
フランソワはかなり昔のピアニストなので、映像は白黒です。音質はマスタリングされてとても綺麗でした。とても貴重な映像だと思います。演奏はフランソワらしく情熱に溢れてました。
若き日のポリーニによる
ショパンの前奏曲がおまけで見ることができます。
凄い名作というわけではないが、いろいろ印象に残る佳作だと思う。
船越英二扮する少し精神障害のある安宅家の当主が数を数えるときに言う「チュウチュウタコカイナ」は流行語になったそうだ。この映画を知る前からこの文句は知っていたが、この映画が発信元だったのだ。かなり前にTV放映された折1回観ただけ。名画座にもフィルムセンターにもかからず、私にとっては幻の作品だったが、こうしてソフト化されるのはうれしい。ただし、基の
プリントの状態はベストといえず、画面の右上に見慣れないマークがついているのもわずらわしい。安いから文句はいえないのだが、そういうのは改善してほしい。乙羽信子と田中絹代の演技対決はみもの。乙羽はまだ新藤兼人監督の同人になる直前の頃であろうか。大映のアイドル的な扱いである。放蕩息子は三橋達也。東宝時代の颯爽とした姿とは違い、ちょっとクセのありそうな男を演じていて芸達者な人だったと改めて思った。
フランソワはかなり昔のピアニストなので、映像は白黒です。音質はマスタリングされてとても綺麗でした。とても貴重な映像だと思います。演奏はフランソワらしく情熱に溢れてました。
若き日のポリーニによる
ショパンの前奏曲がおまけで見ることができます。