「名選手が必ずしも名監督になるわけではない」とは野球の世界でよく言われることだが、落合博満は史上初の三冠王3回を成し遂げ、日本人選手として初の1億円プレイヤーになった名選手であり、8年間勤めた中日の監督として常にAクラス、リーグ優勝4回、日本シリーズを制したのが1回という名監督でもある。しかしこれは野球の本というわけではない。ダイヤモンド社から出ているビジネス書だ。落合がここで論じているのは、組織運営論であり、人材育成論。要するに落合流のマネジメント術だ。人が人として生きていく上で、周囲の人たちとの関わりは必ず付いて回る。そうした場所で自分自身の持っている能力をいかに発揮し、周囲の人たちとの力をどう引き出すかを、野球という実例を出しながら説明している。
おそらくこの本の中心読者は、組織の中で部下を育てつつ、時には自分自身が一線に出て行くことも多いサラリーマンの中間管理職だろう。しかしこの本で語られている内容は、おそらく学生であろうと、主婦であろうと、誰であろうと役に立つことが多いと思う。
以前、『采配』を読んで、
「プロは契約がすべてに優先する」という一節を
いまだに忘れることができません。
さて、今度は映画を語るのか?
どんな映画を取り上げるんだ?と目次をみると
モダン・タイムス、
ローマの休日、007、寅さん
などの大名作に並んで、
アベンジャーズでオールスターを考える!
すばらしいです。
『采配』が独特な監督・落合博満から見る
野球論が興味深かったのに対し、
今作『戦士の休息』は高校をサボって映画館にいたという
一人の人間・落合博満から見た野球論のように思え、
そこが素直におもしろかった。
作者は言います。
用心棒、椿三十郎を挙げて
「私のなかには三船敏郎がいるのだろうか。」
とかく、理解に苦しむことがある作者を読み解くひとつの鍵かもしれません。