ヨーロッパでは有名で、日本では知れ渡っていない「ハルトマン」の作品集です。ここでは、ラファエル・クーベリック指揮による3曲がライブ録音(1972年〜1975年)され、音も明瞭に聴ける演奏です。
作曲年代順に記述します。1曲目は、1939年作曲(1959年改訂)で、4つの楽章からなる「ヴァイオリンと弦楽のための葬送協奏曲」で、ヴァイオリンはヴォルフガング・シュナイダーハンが名演をしています。約20分の短めな曲ですが「葬送協奏曲」ということで悲しくも美しいメロディを聴くことができます。1939年は、ナチズムが蔓延しユダヤ人のハルトマンにとっては、当時の心境を表した曲と言えるのではないでしょうか。
2曲目は、1941〜42年作曲の「交響賛歌」です。この年代には、
ドイツが周辺国を次々に併合している状況ですので、「賛歌」という曲名は、当時の政府に気を使った命名ではないでしょうか。曲の内容は3つの楽章からなる約28分の作品で、ハルトマンが師事した、ウェーベルンの影響が、時々表れますが、ウェーベルンのテンポの早い曲をゆったりと演奏したような曲です。
3曲目は、1953年作曲の「ピアノと管楽器と打楽器のための協奏曲」です。3つの楽章からなる約15分の短い曲ですが、聴きやすいメロディを聴くことができます。
ハルトマンは、今、マイブームです。貴方も聴いてみてください。
Sten Bergmanの『Die Tausend Inseln im Fernen Osten』(1932年)の翻訳。
スウェーデンの動物学者であったステン・ベルクマンが1929-30年に千島列島を探検した記録が本書である。
根室を拠点として、ウルップ島、クナシリ島、エトロフ島、シムシル島、チリホイ島など北から南まで多くの島を訪れ、狐や熊、鷲、ラッコなどを
調査してまわっている。堅い学術書というのではなく、博物学的な旅行記といった感じだ。
それにしても、千島の動物たちの豊富さには驚かされる。川には鮭があふれんばかりだし、ラッコもごろごろいる。狐や熊も無数に。
文章にも温かみがあって読みやすい。