八重山民謡を中心とした
石垣島出身の新良幸人と、フォーク系で宮古島出身の下地勇。異なる魅力の2人が放つ、本物の音楽。今、気がつけばどこを見わたしても大人数で歌って踊る音楽が主流となっています。音楽とは本来自由であっていいと思いますし、それらの音楽を否定することはしません。しかし、2人の音楽からは「音楽とはこういうものだ」と、強烈に見せつけられた気がします。心に染み渡る音楽。今の時代だからこそ、こんな音楽が必要なのかも知れません。
静かだが、クセになる曲調。澄んでいて、耳に心地よい歌声。
聞いていると癒される。
ジャケットのみかこしも文句なしで可愛い!
南国の、イメージとしては
ベトナムか。熱い南風が、果物や野菜ばかりか肉体までも腐敗させていく。完璧な美をもつビーシアの、なんという結末。人を人とも思わずむごい目に合わせて楽しそうに哂っていたビーシア。「君なんか誰も愛さないよ。そして、君も誰をも愛しはしない。」そう言い放ったクーラン。自分を嫌悪し、美しい人をも嫌悪する。しかし、その人が変わり果てて目の前に現れたとき…。
ごみごみとしたスラム、不衛生極まりない港町、そこでレイプされる少年たち。しかし、それは日常茶飯事。ビーシアは、ほぼ間違いなく情性欠如のサイコパスだと思う。ただ、この作品全体を流れる雰囲気…生きるのが容易ではないのに生きることにどこか真摯ではないという気配のなかで、ビーシアはこれ以外の人格ではありえない、と思う。
今まで読んだ長野作品の中では、かなり好きな話ではある。